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2011年07月20日

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鳥獣対法案国会へ 生態調査等“労作”が完成
5_5.gif ■2011鶴保庸介

 暑い夏が来ました。 しかし、 政界は一向に 「熱く」 なりません。 とは言え、 こんな時だからこそ粛々と 「がんばっています」 ことをご報告。
       ◇
 先週の金曜日に鳥獣被害対策の議員立法が党内手続きを終え、 いよいよ国会に提出する運びになりそうです。

 え? 何のことかって? まず鳥獣被害対策の法案とはもう読んで字の通り。 わが県など多くの地方で、 イノシシや鹿が山間部の農産物を荒らし、 その被害額は全国で200億円ともいわれています。 特に 「いよいよ明日収穫」 というタイミングでたわわに実った果実を根こそぎやられている姿に絶望した農家が離農している実態はあまり知られていません。 何のために細々と農業を続けてきたのか、 という怒りにも似た声に、 国は3年前にようやく動きました。 「鳥獣被害対策特別措置法案」 これら鳥獣の被害に対して、 わなを仕掛けたり、 電柵を設置したりすることに補助金を出したりしてきたけれど、 それらを手厚くしようとする内容でした。

 しかし、 あれから私自身も党の過疎対策の責任者となって全国の現地を視察に入ったりしているうちに、 被害は減るどころか、 増える一方だと気付きました。 「どうしたらよいのか」 自問が続きましたが、 思いあぐねていても被害は減りません。 とにかく何かしなければということで、 この問題に関心のある議員の方々を集め、 勉強会を作ることにしました。 昨年の秋ごろだったと思います。

 情報を整理しているうちに、 現状の対策の限界も見えてきました。 電柵はお尻から体当たりされると簡単に突破される。 「わな」 をかけすぎると集落住民、 特に子どもたちに危険が及ぶおそれがある。 見晴しのいい緩衝地帯などまるで無意味で、 きゃつらは堂々と里に入ってくる。 山に植林しても里の味を覚えた彼らは無関心のまま。 捕獲隊を組織しようにも、 職員を割けるほど地方の財政はゆとりがない…。

 結局、 個体数そのものを減らさねばならない、 しかもそれは全体の約2割近くを減殺しなければ自然減になっていかないということになり、 鹿やイノシシの 「天敵」 であるオオカミを放つとか、 薬物を使用するとか、 さまざまな方策を検討してきました。 しかし、 オオカミは当然オオカミ自体が増えたら大変ですし、 薬物はほかの動物が食べる可能性を否定できず却下。 里に待っていても敵は山の中に逃げるだけ。 自衛隊に頼んで捕獲するというのも北海道あたりではやったこともあるらしいですが、 のべ200人ほど動員して数十頭の鹿を捕獲できたに過ぎなかったというので、 結局もっとも身近な存在である猟友会の活動を援助することを主たる目的にして、 冒頭の 「新」 鳥獣被害対策法案を作ろうということになったのです。

 ここで前述の 「勉強会」 を、 法案作りを目指す有志の 「議員連盟」 に改組。 武部勤元幹事長にお願いして会長になってもらい、 私が事務局長を引き受けることに。 のべ10回以上の会議を開かせていただいて (私自身は幹部会や事務的な打ち合わせを含めるとその3倍は会議をしていると思う) 獣肉を有効活用し、 貴重な資源として持続的に利用できるようにすること、 きちんと生態調査をして捕りすぎ・捕らなさすぎを調整できるようにすることも盛り込んだ 「労作」 が出来上がったのです。

 途中、 法案提出の動きを察知した役所からは、 集落単位での取り組みがあれば無免許でも 「わな」 を仕掛けることが事実上できるようにするとか、 自然保護地域に対しても被害鳥獣の捕獲目的の場合には例外的に猟銃の使用を許可するとか、 さまざまな運用上の規制緩和の提案もいただきました。 地元からも 「猪カレー」 を作って町起こしをしている玉置日高川町長などにも上京してもらいましたし、 県内のみなさんにも大変お世話になりましただけに、 ここまで来ただけでも感謝なのですが問題はこれから。

 特に、 民主党からはいまだ明確な方針は示していただいていません。 聞くとようやく環境関連、 農水関連の部会で議論を始めたという情報が入ってきていますが、 今国会で成立させると言わないなら、 私は街頭に立って言いたい。 「ではどうするの」。

 しかし時代は節電。 カッカしては身が持ちませんから、 じっくりと行く末を見守りたいと思います。


(2011鶴保庸介)
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