晩秋の京都・淀競馬場で行われるGⅠ、マイルCS。16年前(1994)には、サクラバクシンオーとノースフライトの名対決があり、私にとっては思い出深いレースの1つです。
その日、私たちは淀の超満員のスタンドにいました。競馬観戦にあまり気乗りのしない彼女を、その朝、なだめすかしつつ、西京極のアパートから連れ出したのです。
大勢の観衆の声援を受けてターフを疾走する競争馬。寒風に頬を紅潮させ、少し興味をいだいたのか、「次のレース(マイルCS)は私のラッキーナンバー7の単勝を買うわ。あなたのラッキーナンバーは5よ」。
希代のスプリンター、バクシンオー。私はマイル(1600㍍)は少し距離が長いと思ったけれど、バクシンオー(驀進王)の名前に心ひかれていた。「この馬が1番にゴールに飛び込む」。馬券は⑫から500円ずつ、彼女の“神のお告げ”も聞き入れ、単勝と馬連3点で勝負。1番人気の⑨ノースフライトは消し飛ばしていました。
レースはゴール手前200㍍までバクシンオーがトップ。しかし、女王ノースフライトに交わされ惜しくも2着でした。馬券は晩秋の淀の空にもくずと消えてしまいました。ちなみに⑦はホッカイセレスで4着。⑤は大敗、名前も忘れてしまってます。
馬券は取れなかったけれど、あの時の競馬場に雰囲気、彼女の興奮した表情、今も鮮やかによみがえります。
さて、ことしのマイルCS。抜けた馬がいなく混戦模様。データ上は天皇賞組が好成績を残している。その中で、三浦皇成鞍上の②スマイルジャックに食指。ちなみにことしの⑦はショウワモダン、⑤はテイエムオーロラ。どちらも穴ですが、16年前を思い出し単複を少々買っておきましょう。
【マイルCS】(21日京都)単勝・複勝②