2008年08月24日

2008 00.社会

中心市街地進出を断念 和歌山大学観光学部

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会見に臨む小田学長

和歌山大学の小田章学長は21日、 観光学部の和歌山市中心市街地進出を断念し、 22年度4月供用開始で同市栄谷のキャンパス内に学部棟の建設を目指したいと発表した。中心市街地進出を断念した理由として小田学長は 「市や民間からの声があったが、経済的理由や立地条件などで断念。 7月に市側に伝えた」 とした。 市街地の商店街では学部進出による経済効果を期待していたこともあり、波紋を広げている。

同大は市の活性化につながるとして観光学部の拠点を中心市街地に設置する構想を進めてきた。 しかし、 当初入居を予定していたビルは共益費などで折り合いが付かず、 中心市街地に近い市立伏虎中学校の校舎を借りられないかを市に打診。 市からは寄合町の発明館などの活用が提案されていた。
観光学部の整備は、 市の中心市街地活性化基本計画に 「目標を達成するための事業」 として記載されており、 活性化には欠かせない事業の1つ。 500-600人の学生が集中する経済効果は年間10億円に相当するともいわれるだけに、 進出断念の中心市街地に与える影響は大きいと思われる。
小田学長は会見で 「発明館やこども科学館という提案もあったが、 そこなら学生は南海和歌山市駅を利用するので、 中心市街地には行かない」 とし、 「県の浮揚は、 中心市街地の再生からというのは私の考えでもある。 フォルテワジマ内の和歌山大学サテライトでの授業は続ける」 と持論を展開した。
栄谷のキャンパス内に学部棟を設置する構想については 「平成22年4月を想定して、 紀州材を使った木造建築で考えている」 などと明かし、 「今のキャンパスに学部の拠点が出来てしまったら、 出て行くことは無理」 と、 将来的な進出にも否定的な考えを示した。 中心市街地への進出断念について大橋建一市長は 「市の施設の利用を提案するなどしたが、 このような結果になり大変残念だ。 決断は、 さまざまな状況を踏まえて判断されたものであり、 市としては、 観光学部との連携会議の設置や学生が行う中心市街地のイベントなど活動に協力し、 中心市街地の活性化に向けて連携を深めたい」 とコメント。
ぶらくり丁でスポーツ用品店を営む川崎博史さん (66) は 「活性化のためになると期待していたので、 とても残念だ」 とがっかりした様子。 帽子店の和田真さん(35)は 「学生たちが来てくれる期待は少しはあったが、 三井アーバンの構想が流れたと聞いて、 もう来ないと思っていた」と話した。





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