県美術展覧会 (県展) の審査の透明性確保など県の改革案について、 前硲健作県企画部長は16日、 県議会本会議で同展実行委の主要団体である県美術家協会からいまだ十分な賛同を得ていないことを明らかにし、 「改革の方向性が正確に伝わっていないことは誠に残念」 と述べた。 新島雄議員 (自民) の一般質問に答えた。
県展はことしで第62回を迎えるが、 県は県立近代美術館での開催や県外からも審査員を招くなどの審査制度の透明性を主眼に、 県が関係機関と協議し今夏までに改革案を策定する予定になっていた。
しかし、 同部長は同展の運営組織の毎日新聞社、 文化振興財団とはこれまで個別の協議を行い改革案への賛同を得たが、 県美術家協会とはいまだ協議の機会が設けられていないと説明。 その上で、 パブリックコメント (県民意見募集) の意見などを参考にしながら 「新しい県展のための運営組織で、 最終的な開催方法を今後検討したい」 と述べた。
県展の審査員は19年度は総数62人で大部分は県内作家。 改革案では、 地方公共団体が主催する公募展としてより透明性の高い審査制度を実現するため、 県外から審査員を招くことや他府県と比較しても著しく多い審査員数の削減を提案している。
前硲企画部長は 「改革案は、 師弟関係などで誤解をもたれることのないようできる限りの公明性を担保したもので、 審査員の人数を減らすことで多様性が損なわれるとか、 応募がしにくくなるというような批判はあたらない」 と明言した。