2008年09月30日

2008 00.社会/2008 05.紀の川・岩出・海南・紀美野

海南の福勝寺 本堂の修復完了

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大勢が参加して行われた落慶式典

国指定重要文化財本堂など3棟の解体修理が完成した海南市下津町橘本の福勝寺(阿部光正住職)で28日、落慶法要が営まれた。事業は解体した建物の各部材を補修、新調し、再び元通りに復元するという大規模なもので、地元住民が国、県、市の補助を受けて、平成17年1月から進めてきた。この日は住民、関係者ら200人以上が参加し、念願の落慶を地域をあげて盛大に祝った。

神出政巳市長、地元選出の尾崎要二県議会議員ら来賓も大勢祝いに駆けつけた。本堂で落慶法要、求聞持堂(ぐもんじどう)で虚空蔵菩薩像の開眼法要が厳かに行われた後、阿部住職は「きょうを迎えられたのは地区の皆さんのおかげ。本当にありがたい」と感謝の意を表した。出口重幸区長も関係者に厚くお礼の言葉を述べ、「今回は区民の全員参加で実現できた修復工事であり、区長として皆さんのことを誇りに思う。皆さんの魂がこもった建造物も、『これからもよろしく』とほほ笑んでいるよう。寺と地域を未来へ向かって大切に守っていこう」とあいさつし、参加者と加茂音頭を歌って先祖に喜びと感謝の気持ちを伝えた。
続く記念演奏会では、地元の大正琴サークル「ピュアオレンジ」とバンド「加茂ウィングロード」が楽しい音楽を披露したほか、同寺に縁ある義太夫の上演も行われた。最後は大もち投げがあり、親子連れのにぎやかな声が境内に響いていた。
同寺は、加茂谷を見下ろす山中にある、弘法大師が創建した真言宗の寺院。修験や祈祷を行うための寺であるため檀家を持たないが、約500年前から地元住民が力を合わせて守ってきた。解体修理が行われたのは本堂、求聞持堂、鐘楼の3棟で、ことし3月に完成した後、土塀の修理や仏像の新調など境内全体の整備も行われた。建物の約7割は元の部材を補修して使用しており、堅固さを得ながら元通りの姿を取り戻している。





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