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旧美里町(現紀美野町)の裏金による県職員への官官接待問題で県は6日、 OB職員を除く91人(うち課長級以上の管理職49人)の処分を発表した。 現行の懲戒処分の基準に照らせば懲戒免職の対象となる職員もある。 県は服務規律の不徹底や 「脇の甘さ」 などが不祥事を招いた主な要因と指摘した上で今後、 「倫理規則の順守徹底を図って襟をただし、 再発防止に努める」 としている。
処分を受けたのは旧美里町の段木晃元町長在任当時(平成14 - 17年)の部長級1人(厳重注意)、 次長級3人(同)、 課長級43人(訓告18人、 厳重注意21人、 注意4人)、 課長補佐級22人(訓告1人、 厳重注意10、 注意11人)、 係長級14人(厳重注意8、 注意6)、一般職員8人(訓告1、 厳重注意4、 注意3)。 うち海草振興局所属だった職員が42人(うち幹部職13人)を占めている。
県監察査察室によると、 紀美野町や同町議会から提供されたゴルフ場と宿泊施設の利用者名簿、 百貨店の贈答品発送名簿、 職員へのアンケート、 ヒアリング調査から、 接待を受けたと見られる195人のうち現役職員132人を処分の対象として検討した。
ゴルフ場関係では、 1万円の割引券が一部の事務所に一定枚数以上が置かれていたものが庁内に出回ったと見られると説明。 15、 16年度で計92人(うち現役職員71人)が利用していた。 割引券自体はゴルフ場発行のようになっていたため、 大半は旧美里町が費用負担していたことの認識がなかったが、 複数回以上の使用していた者もあり 「公務員としての脇の甘さは否めない」 とした。
また、 贈答品は15 - 17年度で受領したのは117人、 うち現役職員は71人。 贈り主は 「美里町」 または 「美里町長」 でなく 「元町長の個人名」 で、 同町と職務上関連の深い部署の役職者に贈られていた。 県では 「個人からの贈答品と思って返品しづらかったこともあるが、 市町村も利害関係者に該当するという認識の徹底を図る必要がある」としている。
無料宿泊券の利用者は平成14 - 17年度で26人あり現役職員はうち17人。 同券には 「美里町ふるさと公社」 の発行印があり、 金額的にも2万円相当と高額で 「公務員としてより一層慎重な行動が望まれた」 としている。
今回の処分では、 昨年度から実施した職員倫理規則以前のことであるため、 当時の副知事依命通達などを基準に、 接待の頻度や認識度、 当時管理職であったかどうか、 またアンケート提出の有無などを考慮して検討した。
旧美里町の裏金による交際費は約2100万円。 県によると、 このうち県職員にはゴルフ場約160万円、 贈答品約180万円、 宿泊券約60万円を使用。 返金については 「個人の判断であり、 県としては返すことは考えていない」 としている。
仁坂吉伸知事 県職員が訓告等の処分を受けるに至ったことは極めて遺憾であり、 県民の皆さまにおわび申し上げます。 より一層、 職員全員に対して倫理規則の順守をはじめとした綱紀の厳正保持を徹底してまいります。
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