2008年10月17日

2008 00.社会

西山さん(近大)が国内最年少でクローンマウス作製

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3つ子のクローンマウス作製に成功した西山さん

近畿大学生物理工学部(紀の川市)遺伝子工学科4年生の西山有依さん(21)がクローンマウスの作製に成功し、国内最年少記録を更新した。経験を積んだ研究者でも成功率は2%程度で、さらに誕生したクローンマウスは珍しい3つ子。西山さんは「3匹も生まれてくるなんてびっくりしました。これからも技術と知識を深めたい」と話している。

クローンマウスは卵子から核を取り除き、 クローンの素となる核を注入し、 妊娠用マウスの卵管に移植する。 しかし、 卵子の定着率が低く、 さらに顕微鏡操作 (マイクロマニュピレーション) の習得などが難しいとされ、 成功率は極めて低い。
同学部では昨年6月に森田真裕さん (当時22歳) =同大大学院1年=がクローンマウスの作製に成功し、 国内最年少記録を更新したばかりだった。
西山さんは3年生の時に発生工学の授業でクローン技術に興味を持ち、 同大先端技術総合研究所 (海南市) の生物工学技術研究センターの三谷匡准教授の研究室に入った。 実際にクローン作製に取りかかったのはことしの4月。 教育実習の準備にも追われながら、 午前7時から午後9時までみっちりと研究に取り組み、 技術を習得。 そして、 わずか2カ月後の6月26日に3つ子のクローンマウスを誕生させた。 名前は 「ポプラ」 「ローズ」 「リリー」 と好きな花の名前を付けた。 3匹とも9月に子どもを出産し、 正常な生殖能力があることも確認された。
三谷准教授は 「素直な性格が成功への近道になったのでは」 と話し、 指導した同研究所の安齋政幸講師は 「まじめな性格で悩むこともあるが、 きちんとコントロールできているのがいいところ」 と評価する。 森田さんは 「最年少記録を更新されたのはちょっと悔しい」 と笑う。
西山さんは、 卒業後も大学院に進学し研究を続ける。 「将来は研究職に就きたいと思っている。 この技術を不妊治療に還元できれば」 と目を輝かせた。





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