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丁寧に苗を植えていく生徒と堤教諭右 |
和歌山市の秋葉山頂上付近にある梅園に3日、 星林高校美術部の生徒が白梅と八重の紅梅の苗5本を植樹した。 市民の寄付により生まれ大勢が楽しんできた梅園だが、 約30年前220本あった木は現在90本と激減。 うち20本も枯れかけて花芽がついていない状態。 小さいころは遊びに訪れ、 今は絵を描きに秋葉山に来るという2年の大平穂高さん(17)は、 「育ってきれいに花を咲かせた梅を描きたい。 毎年この時期には見に来ます」 と話している。
同梅園は昭和51年に、 従兄弟同士である和歌浦の北畑長左ヱ門さん、 北畑忠次郎さん、 北畑良三郎さん(3人とも故人)が荒れ地1000平方メートルを整地し、 観賞用の紅梅と白梅、 しだれ梅など220本を植樹。 「市民の憩いの場に」 と市に寄贈した。
美術部顧問で和歌浦を描き続けている堤慶教諭(53)によると、 20年ほど前は見事で、 ござを広げて観賞する人でにぎわっていたという。 しかし現在は、 枯れたため倒された切り株が多数点在。 残っている木も花はまばらだ。 堤さんは 「ツタがからんで枯れたり、 台風で倒れたり。 日当たりの悪さや水不足、 せん定の不十分さもあるのでは」 と話す。
梅園の荒れように心痛めていた堤さんは、 市公園緑地課に十分な管理と新たな植樹を要望したが、 財政上の理由で植樹はできないとの返答に、 自分たちで植えることを申し出て同課の許可を得た。
小さいながらも花を咲かせている苗を丁寧に植え終わった生徒4人は、 「かわいい」 「思い出になります」 と笑顔。 堤さんは、 「子どもができたら、 お母さんが植えた梅だよと連れて来てほしい。 世代を超えてこの梅林を伝えていくことが大事だと思う」 と話した。
市の公園緑地課は、 「市民からの電話で梅の状態がよくないと聞き、 平成20年7月に業者にせん定してもらいました。 せっかく寄付していただいた梅園です。 管理については今以上にやっていくつもりです。 植栽についてはやりたい気持ちはあるのですが、 新年度の予算の絡みもあってまだ分かりません」 と話している。
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