2010年11月18日

00.社会

県内の仏像盗難が急増、市町村担当者が会議

仏像など文化財の盗難が県内で多発していることを受けて県は17日、 和歌山市吹上の県立博物館で会議を開き、 市町村の文化財担当職員25人が盗難防止について考えた。 県警本部によると、 県内の文化財盗難件数は平成20年5件、 21年15件、 ことし28件 (同日現在) と急増しており、 この日は専門家がその現状や対策を紹介し、 被害の未然防止を訴えた。

盗難は紀の川市、橋本市、和歌山市など、大阪に近い紀北地域を中心に多発しているが、文化財を保管する寺社側の防犯意識は低く、全体の8割が無施錠で被害に遭っているという。

会議では、文化庁美術学芸課の森下元文さんが 「文化財の盗難に関する現況と対策」 と題して講演。森下さんは被害に遭った寺社の様子を大型スクリーンで紹介しながら、 「犯罪は犯罪者と対象物のほか『犯罪を起こしやすい環境』 があって初めて発生する」 と、盗難に遭いにくい環境づくりの大切さを強調した。また、 現場が木や塀の影になっていたり、人けがなかったり、ごみや落書きがあったりする所が 「犯罪の起こりやすい環境だ」 と説明し、そういった環境をなくしていくため「個々の文化財所有者の管理状況を把握して、的確な指導を行っていくことが必要」 と呼び掛けた。

県警本部生活安全企画課の櫻田徹課長補佐は 「県の犯罪率は全国ワースト12。決して県民が思っているような治安のいい所ではない」 と防犯意識の高揚を呼び掛け、 「寺社などは山間の人里離れた所で難しいが、迅速な通報が検挙につながる」 と、できるだけ早い段階で対応するよう求めた。





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