2011年02月14日

03.スポーツ/つなぐタスキ10年目

つなぐタスキ10年目①

節目の大会に気勢を上げる新宮市選手団

節目の大会に気勢を上げる新宮市選手団

距離の壁、ぬぐえぬアウェー感
いまや県の一大イベントになっている市町村対抗ジュニア駅伝。青少年健全育成を担うとともに、スポーツ振興を図る大きな基盤としても存在している。普段はライバルである選手が一丸となってタスキをつなぎ、地域の代表の誇りを胸に仲間に託すその姿は、沿道の観客を魅了し感動を与えて止まない。

しかし、開催地が最北端の和歌山市ということで 「紀南の自治体には不利」という声が一部の南部の関係者からは聞かれる。和歌山市から最も遠い新宮市選手団の田中とよ子監督は 「費用の問題もあり、試走は過去9年間で一度もやったことがない」 と明かす。実際、新宮市の最高順位は前回を含め11位が最高で一けた台に入ったことはない。

選手を励ます沿道の応援の数もまばらで、アウェー感もぬぐえない。費用の問題は規定により、150キロ以上離れている自治体にあたるため宿泊費の半額は助成されるが、これについては、 150キロに満たない自治体は経費削減のため、無理してでも当日早朝に出発するケースもこれまでにあったという。

紀南地方と紀北地方の過去9年間の成績を見ると、御坊市より北部の地域が毎年3位以上をほぼ独占。それ以南の3位内は、第9回で準優勝の田辺市の1回だけだ。

大会コースの試走回数は県都から離れれば離れるほど少なくなり、上位進出に影響が出ていることは否めない。 「せめて(県の真ん中の)田辺市での開催だったらね...」 、田中監督はポツリと漏らした。
◇ ◇
20日、和歌山市毛見の紀三井寺陸上競技場を出発点に開かれ、10回目の節目を迎える県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会(県などが主催)。大会のこれまでを振り返り、検証する。





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