打垣内、雑賀さんの作品紹介　海南歴民館

開館30周年を記念し、海南市木津の海南歴史民俗資料館(前山哲雄館長)で、一年を通じた企画展「ふるさとが生んだ偉大な兄弟の芸術家~ふたりのロマンをたずねて~」が開かれている。兄で作曲家の故・打垣内正さん、弟で画家の故・雑賀紀光さんを紹介している。展示品は油絵や水彩画、楽譜など約250点。前山館長は「地元の偉人をたくさんの人に知ってもらいたいですね」と話している。

作曲家の打垣内さんは海南市歌や県内学校の校歌など200曲以上を手掛けてきた。県音楽教育連盟初代会長として音楽教育に努め、万葉集の収録歌が詠まれた場所を訪れてメロディを付けたり、歌曲集「万葉の歌」などを出版した。

画家の雑賀さんは万葉ゆかりの絵を数多く描いた。気さくな性格だったため、地域の人に頼まれて描いたこともあったという。代表作に「バレリーナ玲子」「有間皇子」などがある。郷土史家としても活躍し、海南郷土史編集委員を務め、著書に「海南風土記」などがある。

同市では昨年、海南万葉の会などが主催となり、劇団KCMらによるミュージカルを鑑賞したり、同館や藤白神社などを見て回る「万葉ウォーク」など2人にちなんだイベントを開催。同市阪井の打垣内さん宅では、万葉歌集や絵画、書籍などを紹介してきた。当時イベントを企画、準備した土佐博前館長の後を前山館長が引き継ぎ、企画展としてさらに2人にスポットを当てた。

展示品が多いため、年3回程度に分けて2人の作品を紹介していく。

期間は来年3月31日まで。開館時間は午前9時から午後4時半。入館無料。休館日は毎週月・火曜日と年末年始。問い合わせは同館(TEL073・487・3808)へ。