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5日から6日にかけて、 海南市下津町塩津などの沿岸に牛3頭の死骸が漂着し、 6日回収作業が行われた。 台風12号の影響で日高川流域で飼育されていた肉牛約600頭が、 河川の増水によって流された一部とみられる。 市漁協の組合員らがクレーンで引き揚げた。
5日午後3時ごろ、 同町戸坂漁港湾内に1頭、 塩津の露の浜に1頭が打ち上げられ、 6日午後1時ごろ回収された。 その後、 同漁協の寺脇寛治組合長 (64) が、 観音崎の岩場に流れ着いた1頭を発見。 足をロープでくくって塩津漁港の湾内に船で移動させ、 回収した。 寺脇組合長によると、 5日午後4時ごろに 「沖に黒い物体が見えていた」 といい、 今回回収した牛とみている。 寺脇組合長は 「こんなことは初めて。 たぶん潮と西の風に乗って流れてきたんやな」 と驚いていた。
3頭目の牛は平成21年4月2日生まれの黒毛和種のメス。 体重は吸った水を含めて約500キロあるとされる。 漂流中に毛が抜け落ち、 体表の毛はほとんどない状態だった。
今後は化製場 (家畜の死骸などを処理する施設) に運ばれるという。 これまで県内では美浜町の煙樹ケ浜や三尾海岸、 由良町の白崎海洋公園などにも同様の牛が打ち上げられ、 今後さらに流れてくる可能性もあるという。
県水産局資源管理課は5日に沿海の各漁協に船舶航行中の注意とともに、 牛などを発見した場合は頭数や浮遊位置などの情報提供を呼び掛けている。
調査した紀北家畜保健衛生所の本行央衛生指導課長 (48) は 「牛には4つ胃袋があり、 第1胃の中にガスがたまった状態だった。 かなり浮力があることから、 ここまで流れ着いたのでは。 あらためて自然災害の怖さを感じた」 と話していた。
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05.紀の川・岩出・海南・紀美野 - 同カテゴリの記事
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