2009年07月26日

00.社会

当時の捜査一課長が語るカレー事件の158日間

0907264.jpg

激動の158日間を語る野村さん

11年前の7月25日に和歌山市園部で起きた毒物カレー事件の捜査最高責任者だった野村剛士さん(65)=当時、県警本部捜査一課長=の話を聞く催しが24日、同市の県立図書館で開かれた。郷土の歴史を研究し語り合おうと50年前に発足した南葵史談会(上野裕史代表)の7月例会。

野村さんは「難しく、教訓の残る事件。安全で安心して暮らせる社会づくりのお役に立てれば」と、「和歌山毒物カレー事件~その158日間~」と題して、事件当日からその年の12月30日までの日々を語った。
その夜、吉備町の現金強奪事件のため湯浅署にいた野村さんは、和歌山市での食中毒が農薬の疑いという知らせに、東署から100人を出向かせ現場を押さえたといい、「早期に現場保存したことが超一級の証拠を押収することになり事件の成否を分けた」と話した。
そして、捜査班が以前の一連のヒ素事件に気づいた経緯、756人体制で9日間林真須美の家を徹底的に調べた成果、スプリング8により現場と家にあったヒ素の同一性が証明された時は皆で万歳したことなどを紹介。
その一方で、過労により殉職した右腕の若い捜査幹部や事件犠牲者への思い、連日200人の記者が現場に押し寄せ、マスコミ12社の夜討ち朝駆けに悩まされたことにも触れた。
そして「日本の犯罪史上まれな事件。自白がなく状況証拠のみで、当初から裁判員裁判のモデルケースとも言われた。私たちは状況証拠を一つ一つ積み重ね、どこをつついてもくずれないよう立証した」と自信を見せた。



Englishbm_trans.gif  印刷print    はてなブックマークに追加 del.icio.usに登録 Buzzurlに登録 Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録


00.社会] 同カテゴリの記事

00.社会 - 同カテゴリの記事








sinkipage.gif
カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif