2008年06月01日

2008 00.社会

重度身体障害者の石田さん 24時間介護を求め、和歌山市を提訴

20080601_1.jpg
1人暮らしの困難さを訴える石田さん

重度の障害を持ち、終日の介護が必要だと和歌山市に求めてきたにもかかわらず、昨年秋には大幅に介護時間を減らされたのは不当だとして、和歌山市黒田の石田雅俊さん(39)は30日、市に利用時間削減の取り消しなどを求め和歌山地裁に提訴した。提訴には、石田さんの訴訟代理人である大阪アドボカシー法律事務所の池田直樹弁護士、パークアベニュー法律事務所の長岡健太郎弁護士、NPO法人自立生活応援センターわかやまの大谷真之代表も立ち会った。24時間介護を求める提訴は全国で2例目。

石田さんは生まれつきの脳性まひで、重度の身体障害者。自身の父親が亡くなったころ、テレビの番組で自分よりも重度の障害を持った人が1人暮らししているのを見て自立を決意し、平成16年から1人暮らしを始めた。市の最初の調査では介護時間を月535時間と認められた。しかしその後調査の度に介護時間が減らされ、平成19年10月には、体の状態は変わっていないのに「認定基準が変わった」 という理由で、それまでに認められていた時間より大幅に削減され、最終的に377時間に決定。石田さんは「咳やくしゃみなどで体がいすから落ちると、自分では体勢を直せない。トイレにも行けず失禁することが多くなり、1人暮らしが困難になっている」と話し、訴状によると市に対し1カ月744時間の介護時間の支給を求めている。
「在宅生活を送りたいのに、障害者というだけでなぜおむつをつけたりしなければならないのか。なぜ私の生活を市に決められないといけないのか」と石田さん。提訴に対し大橋建一市長は「現在のところ、訴状の内容を確認していないが、本市の事務については適正であったと考える。改めて訴状を確認し、対応を検討していきたい」とコメントしている。
重度障害者の終日介護は、広島市などで認められた例がある。





この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio






カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif