2008年06月06日

2008 04.文化・くらし

32年ぶりに改修 12月末に完成 和歌浦天満宮の屋根修理、伝統の檜皮葺で

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屋根のカーブ部分も丁寧にふき替え

和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮(小板政男宮司)で、 国重要文化財である本殿の屋根のふき替え工事が32年ぶりに行われている。伝統的な檜皮葺(ひわだぶき)屋根は風雨などで傷みやすく、 本殿修理保存のための国庫補助事業。先月末から本格的に始まったふき替えは7月に終わるが、 ほかの部分の修理もあり、美しくなった姿が披露されるのは12月末になる。

屋根は約200平方mあり、 使用する高野山や河内長野産の檜皮は約3万枚。 ほぼ1cm間隔できれいに重ねていく作業はまさに職人技。 厚さは約10cm、 先端部分(一部そのまま)は30cmにもなる。
檜皮葺屋根は通常20-30年しか持たず、 工事の設計・監理を行う県文化財センターの多井忠嗣主査は、 「台風や海風の影響を受けるこの場所でこれだけ持ったのは、 宮司さんらがきちんと補修してこられたからでしょう」 と話す。
祭神の菅原道真公を本殿から別の社に移す遷座祭を4月に行った同宮の小板政規禰宜は、 「保存修理は大変ですが、 神社はみんなのもので、残さなければならない伝統文化。 また、 心の伝統文化も伝えていかなければと思っています。 後世に引き継ぐため、今私たちが出来ることをしなければ」 と工事を見守っている。
ふき替え終了後は、 屋根の棟飾りの修理と、 地盤沈下のために傾いた末社多賀神社の修理に取りかかる。 総事業費は5000万円。国が4000万、 県が250万、 市が125万、 事業主である同宮が625万円を負担。 施工は社寺専門業者である橋本市の谷上社寺。
多井主査は、 「和歌浦天満宮は全国でも桃山時代を代表する建築です。 先日、 県の名勝・史跡指定を受けましたが、 和歌浦の象徴なのに意外と知られていなくて残念です。 工事が終わったら、 ぜひ足を運んでいただきたい」 と話している。





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