2008年06月11日

2008 00.社会

患者搬送に民間の力 和歌山市消防局が2社を認定

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乗務員によるデモンストレーション

年々増加傾向にある救急車の出動に歯止めをかけるため、和歌山市消防局はこのほど、同市内の民間の2業者を「患者等搬送事業者」に認定。9日、同局で認定マークの交付式が行われた。緊急性の少ない患者の入院や転院などを請け負ってもらうことで、人命を救助するという消防本来の活動ができるとし、同局警防課では「市民の方々の理解を得て、認定事業のサービスを利用してもらえれば」と呼びかけている。

市消防局警防課によると、昨年の救急出動件数は約1万7662回で、年々700-800件ほど増加しているという。このうち、64%が緊急性を必要としない搬送者で、中には、通院のための利用や、「救急車で通院すると先に診てもらえる」という誤解から救急車を呼ぶ市民もいるという。
今回認定を受けたのは、同市園部の和歌山民間救急サービス(穂谷一祥代表)と、同市善明寺のライフアクセス(株)(豊田英三代表)の2業者。消防局の発行する「患者搬送乗務員適任証」を受けるため、社員が3日間の講習で応急手当や感染対策の知識や技術を取得した。講習は2年に一度、受けなければならない。
搬送に利用する自動車には、ストレッチャー(搬送用ベッド)や車いすを固定し、応急手当に必要な機材を積載したワゴン車を使用。適任証の交付を受けた社員が乗務し、消防局と連携をとりながら走る。通院、入退院、転院などに利用することができる。有料。
穂谷代表は「病人を搬送するのに手は抜かない。救急車と同じ気持ちで役に立ちたい」と抱負を話し、ライフアクセスの井手口貢さんは 「認定マークに恥じないように頑張りたい」と述べた。
また、警防課では「今後、市報わかやまや、ラジオなどでこの事業の周知を図っていき、市民に理解を呼びかけていく。各病院にも呼びかけ、病院間での搬送にも使っていただければ」としている。
マークの交付式では2社に社屋に張るプレート(縦36cm×横23・7cm)と、搬送用自動車に張るシール(直径9cm)が交付され、その後、両事業者による実際の患者搬送デモンストレーションが行われた。





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