2008年07月20日

2008 05.紀の川・岩出・海南・紀美野

産地直販所がアツい! 「あら川の桃」求め、県内外からどっと

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ティラノサウルスが待ってますと谷口さん(中央)

「あら川の桃」で知られる紀の川市桃山町内ではこの時期、モモ栽培農家による特設の直販所が各地に店を構える。特に井阪橋から南約1kの県道と国道424号沿いはたくさんの店が並ぶ通称 モモロード。最盛期を迎えた週末には泉南方面からの客もあり多くの人出でにぎわっているが、メーン通りから少し離れた場所で、『味と安さ』を売りに人気を集める新旧2つの店がある。

30年前、おいしいモモを安く食べてもらいたい、と桃山町最上地区の仲間7人と直販所を始めた谷口義孝さん(73)。最上地区でも谷口さんらグループの東部は傾斜地の赤土のモモ畑。ここで収穫したあら川の桃を特に『赤土桃は味美人』というキャッチフレーズでPR。「通常のものより糖度が2度甘い。日持ちもよく、農協で取り扱えないちょっとしたキズものでも味はまったく変わらない」と、太鼓判。
来店客には、全員に1個丸ごと試食のサービスも行っている。週末には、口コミで知った橋本市や和歌山市、泉南、五条方面からも家族連れが訪れる。子どもたちを退屈させないためにと、今年は看板を作っている友人から、3mほどもあるティラノサウルスの大きな模型を借りてきて店先に展示した。「リピーターが多く、一度、味わってもらえれば違いが分かっていただけると思います」と話している。
場所は、国道424号、桃山町内の尼岡橋東3k。電話(0736・66・0741)。

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この夏で待望の店を構えた中浴さん(中央)

6年前、務めていた建設会社が倒産。恩人の勧めでモモ栽培を始めた八幡農園園主・中浴泉さん(50)。
44歳での失業はつらかった。家族を抱え途方に暮れたが、とにかく食べていくために何でもやろうと、選果場でアルバイトの毎日が続いた。ある日、「一から教えたるからモモを栽培しないか」と持ちかけられた。畑もなく、何の知識もない中浴さんだったが、後継者がなく遊ばせているモモ畑を恩人が世話をしてくれ、今では1haを超えるモモ畑を栽培。
これまでは市場出しと知人の紹介で注文を受けた先への地方発送だったが、やっとこの夏、貴志川町地内の国道424号沿いに待望の店を構えた。
中浴さんは、「中心地から少し離れていますが栽培地は桃山町で、正真正銘の「あら川の桃」。おいしいモモを少しでも安く、多くの人に楽しんでもらえた幸いです。ど素人の私に一から教えてくれた恩人には本当に感謝しています。そのご恩に報いるためにも、栽培をしたいと頼ってきた人の力になってあげようと、思っています」と話している。
県農業試験場近くの貴志川町内、国道424号沿い。電話(0736・66・3589)。





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