2008年08月29日

2008 00.社会

映画「ふるさとをください」に感動 大阪の民主党議員団が麦の郷視察

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当事者の話に耳を傾ける議員団

大阪府の府議会議員や府内の市議会議員らでつくる大阪府民主党自治体議員団(大前英世団長) の25人が27日、 精神障害への理解をテーマにした映画 「ふるさとをください」を和歌山市内のホテルで観賞。 その後、 映画のモデルとなった同市岩橋の障害者総合リハビリテーション施設「麦の郷」 を訪問した。

映画には麦の郷で働く精神障害を持つ人が大勢実名で出演。 障害者同士の結婚を軸に話が進む内容。この日は、 統合失調症で13年入院した後、 麦の郷のクリーニング工場の従業員となり、映画のモデルにもなった結婚第1号の雑賀良彦さん (51) など、 4人の当事者が議員団を前に体験を語った。
2年前同じ通所者の直美さん (42) と結婚した寺脇弘隆さん (41) は、 「受け皿がないため30年50年と入院している仲間がいる。 自分で考える必要のない生活は人間の生活じゃない。 薬を飲んで、 支えてくれる人がいて、 安心して暮らせる場があれば、 精神障害者の事件は起きない」 と力説。
10年間外に出られなかったが、 今は食品部で働き、 結婚している伊藤昇次さん (48) は、 「最低賃金はクリアしているが、 年金を足しても厳しい。 障害基礎年金を上げるという去年出た案が通れば」 と要望した。
麦の郷の伊藤静美理事は、 「ここではすでに10組が結婚し幸せな生活を送っています。 こういう人たちを行政はおりの中に入れていたのです。 支え合う夫婦という関係を治療に役立てたい。 皆が知恵を出し合って受け皿を作り、 環境を整えれば病気をよくすることができる」 と訴えた。
議員らは熱心に聴き入り、 工場などを見学。 高槻市の橋本紀子市議は 「統合失調症の人に相談を受けていますが、 仕事をしたくても孤立していて難しい。 大変ですがこういう受け皿を増やさないと」 と話した。
「ふるさとをください」 は9月12日までジストシネマ和歌山で上映中。 県内ではすでに1万人が観賞しており、 国内では200カ所で上映された (さらに100カ所予定)。 また、 国会議員らを対象に衆議院憲政記念館で上映されたほか、 コスタリカやイギリスでも好評を得ている。





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