2008年09月03日

2008 00.社会/2008 05.紀の川・岩出・海南・紀美野

非常食のパン作りなど体験 紀美野の美里中で初の総合防災訓練

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丸太コンロで非常食のパンを焼く生徒

東南海・南海地震などの大規模災害に備えようと、紀美野町野中の美里中学校(高岡成豪校長)は1日、「防災の日」にちなんで初めての総合防災訓練を行った。震災体験者の話や、丸太コンロを使ったパン作り、消火器やAED(自動体外式除細動器)を使う訓練など幅広い内容。全校生徒46人と一緒に園児や地域の自主防災組織も参加し、親ぼくを深めながら万一に備える意識を高めた。

災害時に活躍できる中学生ボランティアの育成などが目的。訓練は2部構成で、第1部では釜滝にあるパン屋「ドーシェル」 の戸田さん夫妻が講師を務めた。同店は阪神・淡路大震災の当時、宝塚に店を構えており、妻の恵以子さん(48)が体験した震災について講話。地震が起こった瞬間は「夢なのかと思った」 とパニックの状況を説明し、水や食糧を保存しておくことの大切さや、身内や家を無くして無気力になってしまった人たちの様子などを伝えた。
続いて、夫の晶さん(50)が非常食としてのパン作りを指導。発酵させずに食べられるクイックブレッドと、すいとんのレシピを紹介し、 「小麦粉に水を入れて、焼いたり炊いたりすれば食べ物ができると覚えておいて」 と話した。生徒は神野保育所の園児と一緒に一生懸命、生地をこね、フライパンや鍋に入れて丸太コンロの火にかけた。しばらくするとほのかに芳ばしい香りが広がり、焼き上がったパンを試食した子どもたちは 「おいしい」 とにっこり。このほか、起震車による地震体験もあった。
2年生の折口真哉君(14)は 「震災の話を聞いて食料や水の大切さが分かり、ちょっとでも保存しておこうと思った」 。1年生の浴畑香穂さん(12)は 「まだ大きな地震を経験したことないけど、話からすごく怖かったのが伝わってきた。もし震災があったら、きょう学んだパン作りを役立てたいです」 と話していた。第2部では消防職員を講師に迎え、地域住民との合同訓練が行われた。





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