2008年09月03日

2008 02.政治・経済

「苦渋の選択」「政権担当能力なし」 福田首相退陣、県内政界も寝耳に水

福田首相の1日夜の突然の退陣表明を受け、 県内の政界関係者や県民から戸惑いや驚きの声が相次いだ。与党関係者からは 「一日も早く態勢の立て直しを」。 野党関係者は 「政権の投げ出しは政治の行き詰まり」と与党を痛烈に批判し解散総選挙を迫る構え。 県民からは厳しい政局運営で首相に同情する声もある一方、リーダーシップ不足の指摘や景気対策など国民生活を不安視する声も少なくない。

自民党県連の下川俊樹幹事長は 「正直びっくりしている。 福田さんでは総選挙は勝てないという声も党内に強く、新しい体制のもとで国民に信を問うた方がいいのではという苦渋の決断だったのでは」。連立与党の公明党の西博義県本部代表 (衆院議員) は 「突然の退陣に大変驚いた。一日も早く態勢を立て直す必要がある。 新しい内閣で国民の信頼回復を図るとともに、国民生活の安定に全力を尽くしたい」 とコメントした。
一方、 野党関係者からは連立与党への厳しい声。 民主党県連の藤本眞利子代表は 「2度にわたる突然の政権投げ出しは、 もはや自民党に政権担当能力がないことを露呈した。 国民の暮らしが非常事態になっている中で、 あまりにも無責任極まりない政治行為だ」 とし、 政権交代に向け直ちに衆院解散を迫る考え。
また、 共産党県委員会の竹内良平委員長は 「臨時国会前の政権の投げ出しは安部さんに次いで2人目。 暮らしと経済の行き着くところ、 自民・公明の政治の行き詰まりを表している」、 社民党県連の野見山海代表も 「無責任すぎる。 臨時国会を乗り切れないと思ったのだろう」 とし、 解散総選挙で国民の民意を問うべきだとしている。
仁坂吉伸知事は 「行政の長として大変だったんだろうと同情する。 しかし、 臨時国会がまもなく始まり、 経済対策に本格的に着手しようとしているときに歯を食いしばって頑張ってほしかった。 その上で進退の判断は人に任せるべきだったと思う」 とかばった。
県民からもさまざまな反応。 2日朝、 和歌山市内の有権者から街の声を拾った。
地方公務員の高田美幸さん (47) 福田さんは気の毒。 批判的な意見も多いが、 あの悪い状況で安部さんの後を任されたのだから同情する。
団体職員の下角力さん (55) 責任放棄と言われても仕方がない。 あきれたものだ。 不安より怒りの方が強い。 いいことなしの短命内閣だった。
自営業の谷口真祐子さん (28) 国民として感じるのは責任逃れによる怒り。 後継候補の麻生さんにも特に期待することはない。
地方公務員の中村道弘さん (52) この先、 景気対策が必要で、 まさにこれからという時にリーダーがいなくなる。 総理にはもっと戦ってほしかった。
無職の間々田文代さん (77) もう少し続けてほしかった。 どうして偉い人に限って協力しないのだろう。 足の引っ張り合いばかり。 誰が首相になっても結局は同じでは。





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