|
大阪市北区の米販売会社 「三笠フーズ」 の汚染米の転売問題で、 基準値を超える殺虫剤・メタミドホスに汚染されていたとみられる中国産もち米が、 県内でも老人保健施設や病院3施設含め5施設に流通していたことが、 12日までに大阪府などから県や和歌山市保健所に入った連絡で分かった。 病院給食は給食大手の 「日清医療食品」 (本社・東京) から納入されたもので、 各施設では赤飯やよもぎ餅として消費された。 健康被害は報告されていない。
県生活衛生課と和歌山市保健所によると、 日清医療食品から汚染米が納入されたのは、 那智勝浦町の老人保健施設 (6月から9月にかけて計4キロ)、 和歌山市内の民間病院2施設 (5月から8月下旬計8キロ、 8月に1キロ) の3施設。 いずれも赤飯などの給食の材料に使われたという。
このほか、 大阪市の卸業者からかつらぎ町の農事組合法人が3月によもぎ餅の材料として1500キロ、 和歌山市内の米販店も3月から7月にかけて2156キロを購入、 宗教法人のもちまち用などに流通したとしている。
農事組合法人はよもぎ餅を7月ごろから売り出した。 1400パック (1パック100グラム×5)を製造したが、 8日に200パックを回収したとしている。
県などはこれら各施設に食品の回収と米を使用しないよう指導するとともに、 回収したよもぎ餅や赤飯について農薬残留検査を行っている。
三笠フーズが所有していた中国産もち米は、 メタミドホスの残留度が高く食用としては流通できないため、 工業用として18、 19年度に政府から計約800トン購入。 今回、 日清医療食品への流通分は約700キロ。 大阪府などによると、 同社は近畿で給食提供契約を結んでいる病院や高齢者施設119施設に提供した。
同社は9月8日夜に、 もち米を提供した業務用食品卸会社から 「汚染された事故米の可能性がある」 と連絡を受け使用中止にした。 県内では県立医大附属病院も同社が給食業務を請け負っているが、 同病院課によると 「中国産もち米は医大病院では使用していない」 と同社から連絡があったという。
|
|