秀吉の焼き討ちから高野山を救った僧、 木食応其(もくじきおうご)の没後400年特別展が18日から、 和歌山市吹上の県立博物館で始まった。 国宝7件11点、 重要文化財7件13点を含む124件193点を展示。 秀吉の天下統一のなかで応其の果たした役割などを明らかにする。 11月24日まで。
木食とは、 木の実や草のみで過ごす厳しい修行のこと。 応其はこの木食行を行い、 秀吉の資金援助を受けて高野山や京都の東寺、 醍醐寺の復興を手がけた。 秀吉は大坂城で 「高野山の応其ではない、 応其の高野山であると承知するように」 と人々の前で言ったとされる。 また、 紀の川沿いで寺社の造営や池・用水路の改修など地域復興事業を実施。 連歌もよくした。
主な展示資料は、 幅4メートル以上になる国宝 「阿弥陀聖衆来迎図」、 縦3メートル以上の国宝 「五代力菩薩像」、 初公開の 「木食応其坐像」、 有名な 「刀狩令」、 応其が行った紀の川沿いの事業を物語る仏像や各種資料など。 会期中に一部展示替えがある。
記念講演会 「秀吉と紀州」 が26日午後1時半から、 隣の県立近代美術館で開かれる。 講師は大阪歴史博物館の脇田修館長。 申し込みは同博物館(073・436・8670、 FAX423・2467)。