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プランターに球根を植えていく生徒 |
ことし4月で閉園となり、惜しまれつつも10年の歴史に幕を閉じた紀美野町の「みさとチューリップ園」。動木の県立大成高校(石本全孝校長)はその取り組みや志を引き継いでいこうと、同園から譲り受けた球根を校内で咲かせることにした。4日に1年生と地元の子どもたち合わせて160人で植え付け作業を行い、約5000球の球根をプランターに植えて中庭に並べた。来年春には、小さなみさとチューリップ園が復活しそうだ。
大角の棚田に40万本のチューリップが咲き誇り、県内外から多くの観光客が訪れた同園。国道370号のバイパス建設工事の影響で継続が難しくなり、この春を最後に閉園した。
今回は 「チューリップ園・サクシード(受け継ぐ)・大成」 をテーマに、同園を主催していた 「みさとチューリップの会」 の作業部長、中谷一さん(67)の協力で実施。4トントラック3台分の床土が中庭に運び込まれ、同園で実際に使っていたプランターも約450個用意された。生徒は協力しながらシャベルでプランターに土を入れ、1つひとつ丁寧に球根を植えていった。中谷さんの意志で、特に植え方の指導はしなかった。知識が無いまま植えることによって、きれいに咲かない花もあるかもしれないが、失敗の経験を次につなげてほしいという生徒への思いからだ。
チューリップ園に行ったことがないというA組の山添航君(16)は、 「作業は大変だったけどチューリップ園がまた見られて良かった。どんな花が咲くか楽しみです」 。B組の折口沙織さん(同)は 「かわいい花が咲くように一生懸命世話したいと思います」 と笑顔。
この取り組みは1回限りでなく継続していく予定で、同校の谷口義彦事務長補佐(49)は 「大成が廃校になりかけた時、地域の支えがあったからこそ存続することができた。今度は感謝の意味も込めて、学校が地域の取り組みを存続させていきたい」 と話している。
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