2008年12月12日

2008 00.社会

小学生が新種のエビの化石発見

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見つけた新種の化石と熊谷さん

拾った石は新種の化石。 海南市船尾の県立自然博物館は10日、 昨年12月2日に湯浅町で開いた同博物館友の会主催の「化石・地層の観察会」 で、 当時小学3年の熊谷菜津美さん(9)=阪南市立尾崎小4年=が見つけたエビの化石が未発見種であることが分かったと発表した。 発見者の熊谷さんは 「(新種だと聞いて) かなりびっくりした。 初めての発見だからうれしい」 と喜んでいる。

発見されたエビの化石は、アカザエビ科ホプロパリア属の一種で、頭胸甲(長さ30ミリ、幅12ミリ)と腹部(長さ23ミリ、幅14ミリ)、はさみ(長さ51ミリ)の3部分が分解した状態で化石化。同町栖原の約1億3000万年前の有田層中生代白亜紀前期バレミアン階の地層から見つかり、同博物館と瑞浪市化石博物館、千葉県立中央博物館の3館の共同研究で新種と判明。発見した熊谷さんの名前にちなみ、学名は「ホプロパリア・ナツミアエ」と命名され、 すでにメキシコの学会誌に発表されている。
熊谷さんは、父親の忠博さん(42)に連れられて初めて化石観察会に参加。たまたま落ちている石を拾い上げると、そこに見慣れない化石がついているのを発見し、現場指導員の県立自然博物館の小原正顕学芸員に尋ね、「貴重な化石だから大事に保管しておいて」と言われ持ち帰った。しかし、2日後、小原学芸員から「新種の可能性がある」と連絡を受けて郵送し、受け取った小原学芸員が調べた結果、未発見種であることが分かった。小原学芸員は「新種とは思わなかったが、文献などを調べるうちに分かった」。熊谷さんは、化石に自分の名前がついたことに「名前がずっと残るからうれしい。これからもいろんな化石を見つけたい」と満面に笑み。
県立自然博物館によると、 ホプロパリア属の化石は白亜紀後期の地層から発見されるケースは多いが、 前期の地層からの発見は世界的に見ても例が少なく、 国内では群馬県石堂層からの発見に次いで2例目で国内最古。 はさみの部分が現存するなど保存状態も良く、 「初期のホプロパリア属の形態復元をする上で重要」だという。
また今回、 熊谷さんが見つけた化石以外に4つの新種が有田層から発見されており、 13日から同博物館で開かれる 「有田層から発見された新種の甲殻類化石 - 約1億3000万年前のエビやカニ等の化石たち - 」 で展示される。





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