2010年02月26日

00.社会

県立医大の研究費等不正経理、51人関与、総額1億3300万円

国の科学研究費補助金や委託研究費に絡む不適正経理問題で県立医科大学は25日、 学内調査委員会の調査結果と同日付の関係者の処分を発表した。 平成14~19年度までの不適正支出総額は141件、 約1億3300万円で関与した研究者は51人 (うち退職者16人)。 私的流用はなかったとしている。 不適正支出が約3100万円と最も多い次期理事長・学長の板倉徹教授 (64) は停職1カ月の懲戒処分となった。

停職は板倉教授と、 不適正支出が1000万円を超えた男性教授 (64) の2人。 その他1000万円未満の教授4人 (うち女性1人) と男性講師1人が、 減給10分の1の6カ月~1カ月。 残り28人は 「書き換え」 で悪意的なものではないとして厳重注意にした。 また不適正支出にかかわった医薬品販売の業者2社にも厳重注意。 大学は今後、 国からの利息を含めた返還命令に応じ速やかに建て替え支払い、 各関係者に返還を求めるとしている。

調査結果によると、 不適正支出の内容は、 研究者の都合で支払える金額だけを伝え、 その金額を合わせて作成された納品書・請求書で支払いを行う 「書き換え」 が48人 (121件) 8391万円。 納品なしに代金名目で一定額を納入業者に支払い管理させる 「預け金」 が5人 (19件) 3298万円。 研究費を使い切ったが、 翌年度の研究費の獲得のため、 必要な試薬などをツケで購入する 「付け替え」 が3人 (10件) 457万円。

会見した南條輝志男理事長・学長は大量の処分者が出たことについて謝罪した上で 「大学は独立法人化後、 研究者に研究費獲得を促し採択件数、 金額とも2・5倍に増えたが、 研究費の管理はもとのままで細部にわたる事務処理が困難だった」 と説明。 その上で、 大学の信頼回復について 「板倉教授だけの責任でなはく、 (大学の全教職員の) 分相応の責任として、 今後立ち向かわないと困難だ」 とした。

今後の再発防止策として大学側は4月から、 事務局長直轄の監査室を設け常勤職員として外部から人材を配置。 また法令順守や研究費取り扱いについて研修会を開催するとしている。

仁坂吉伸知事 今後再びこのようなことがないよう、 大学と協議しながら、 再発を防止するためのシステムを構築し、 県民の皆様の信頼回復に向けて取り組んでまいりたい。





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