2010年03月02日

00.社会

県警捜査一課の中瀬警部補に全国優秀警察職員表彰

「家族には本当に支えられた」と中瀬警部補 - 県警捜査一課の中瀬警部補に全国優秀警察職員表彰

「家族には本当に支えられた」と中瀬警部補

警察業務へ功労があったとして、県警本部刑事部捜査第一課、盗犯特別捜査班総括係長、中瀬守警部補(55)が、全国優秀警察職員に選ばれ、8日に東京のグランドアーク半蔵門で警察庁長官から表彰される。ことしの受賞者は全国で94人で、昭和44年に表彰制度が始まって以来、県内では42人目の受賞となる。同僚からの愛称はまもやん。「亡き先輩から受け継いだ信じたらとことんやるという信念を貫いたから、今までやってこれたかな」と柔和な笑顔をのぞかせる。

昭和48年4月、警察官の拝命を受けた。「当時はどんな仕事がしたいとか熱い想いはなくて、漠然としたあこがれでなったという感じやね」と振り返る。交番勤務員や機動隊などを経て、拝命されて6年目にして、かつらぎ署(旧妙寺署)で刑事鑑識係に配置され、刑事畑の扉を開いた。

ミスをすれば、怒鳴られ、手が出る、足が出る。「何事もあきらめるな」。刑事になった当時の先輩たちから、しごかれ、たたき込まれた教えは今も胸に刻まれている。早朝の張り込みや深夜の巡回など、犯人確保のため勤務時間外も動けるだけ動いた。「人のやれない、型通り以上のことをせなあかんって必死やった」。

カレー毒物混入事件では、林真須美被告の関係者の事情聴取に半年間缶詰めになり、林被告を逮捕する糸口をつかんだ。

自身が印象に残っているのは、平成12年に発生したケアマネジャーによる強盗殺人事件。3人の事情聴取を担当し、犯人が目の前に座った瞬間、違和感を感じた。目の動き、体の震え、話し方。「警察官が怖くて、というのと微妙に違う。声のうわずり方とか、ささいな所に出る」。長年の積み重ねが、刑事の勘を働かせた。身辺捜査を進めると、防犯カメラに被害者の預金をおろす犯人の姿が映っていた。「やっぱりビンゴや」。

何事もあきらめず、挫折を意識せずに警察人生を歩んできた。「ええライバル、先輩に巡り会えたと思う」。3月には長女(29)が結婚する。「仕事を思いっ切りできる環境を作ってくれてたんは、家族のおかげ。カレー事件で、5カ月ほとんど帰れなかった時も、文句一つ言わんと待っててくれた」と瞳を細めた。





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