2010年03月10日

00.社会

わかやま絵本の会が25周年、会報は100号に

松下千恵さん

会報1、2号と最新の100号を持つ松下代表

郷土の話を掘り起こして絵本にし発行している 「わかやま絵本の会」 が、 今月で25周年を迎えた。 昨年秋に平成21年度和歌山市文化奨励賞を受賞し、 会報 「こどもわかやま」 は1日付でちょうど100号。 会代表の松下千恵さん (60) =和歌山市松江西=は、 「続いたのは奇跡。 たくさんの方の協力のおかげです。 和歌山には絵本にしたい素晴らしい人物がまだまだいます。 和歌山弁の絵本も作りたいですね」 と意欲を見せている。

同会は、 多くの大人や子どもたちに、 郷土をより楽しみ親しんでもらおうと、 松下さんら6人が呼び掛けて発足。 あまり知られていない人物や出来事、 昔話を発掘してきた。

企画提案、 文や絵、 デザインの担当も多彩な人が行うため、 作品はそれぞれ個性豊か。 すごろくやカルタなどもある。 定期発行の郷土絵本は、 1日発行の最新作 『オニヤンマととおりあめ』 で93冊。 ベストセラー 『いっしょに歩こう熊野古道』 などの別冊や付録も含めると計134冊を送り出してきた。

会員や近所の人も手伝い、 手作業で製本した7冊セットの別冊 『絵本熊楠特集』 (1987年) は特に思い出深い作品といい、 「重ねた紙をホチキスでとめ、 二つ折りし、 ガラスコップの底でキュキュとこすった」 と振り返る。

一方、 「子どもも和歌山も大好きだから」 と名付けた 「こどもわかやま」 は年4回の発行。 99号までの表紙には毎回子どもが描いた絵を用い、 活動報告や会員便り、 本紹介などを掲載。 100号記念号には東京や大阪の会員からも祝いの文章が多数寄せられ、 普段より厚い32ページになった。

松下さんは、 「子どもの反応と現地調査を一番大切にしています。 歴史の勉強もさせていただき会に育てられました。 お金のなくなるピンチが何度もあったのに、 不思議なことに、 そのたびに思わぬ形で救われてきたんですよ」 と話す。

しかし、 発足時270人いた会員は現在55人。 松下さんは 「会員も、 和歌山の話を読み聞かせたり広めてくれる人ももっと増えてくれたら」 と願っている。
問い合わせは同会 (073・452・4341、 FAX073・452・4345) 。





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