2010年04月15日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

県内初の女性伝統工芸士に紀州漆器の谷岡さん

谷岡漆芸店5代目

女性伝統工芸士の谷岡さん

海南市岡田の谷岡漆芸店5代目の谷岡公美子さん(41)がこのほど、 経済産業大臣が指定する伝統的工芸品の試験を受け、 紀州漆器・総合部門で見事合格した。 紀州漆器としては県内7人目。 漆器産地の女性伝統工芸士の中で最年少。 県内では初となる女性伝統工芸士誕生に、 注目が集まっている。 谷岡さんは 「紀州漆器をもっと多くの人に知ってもらえるように頑張りたい」 と話している。

紀州漆器は県の伝統工芸品の一つ。 福島県の会津塗、 石川県の山中塗や輪島塗と共に日本三大産地に数えられる。 室町時代に、 わんなどの木地を作る職人である木地師が海南市黒江地区に住みつき、 紀州ヒノキを木地としたわんを生産したのが始まり。 江戸時代には、漆器生産地として全国に知られるようになり、 庶民に親しまれてきた。

谷岡さんは父で伝統工芸士の敏史さんが働く姿を小さいころから見てきた。 紀州漆器の魅力を肌で感じてきたといい、 5代目として腕を磨いている。 作業は大きく分けて 「木地」 「塗り」「加飾」の3つがあり、 谷岡さんは塗りと加飾を担当する。 塗りには、 下塗り、 中塗り、 本塗り、 朱塗りなど多くの工程があり、 温度や湿度に注意しながら何度も塗り重ねて約3カ月かける。 その上に蒔絵など文様を付ける加飾などを経て完成となる。

谷岡さんは現在、 7月に東京で開かれる女性職人展に向けて技を磨いているといい、 「守らなければいけないことがあると思うので、 やりがいはあります。 伝統工芸士として認められたからには、 これからですね。 紀州漆器をたくさんの人に伝えてPRしていきたい」 と笑顔で話している。





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