2010年09月10日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

粉河中学校移転計画、反対団体が住民監査請求

紀の川市立粉河中学校移転問題

監査請求の資料を提出する住民ら

老朽化などに伴う紀の川市立粉河中学校 (同市粉河) の校舎移転計画について、 事業の白紙撤回を求めている住民団体 「粉河中学校の教育環境を守る会」 が9日、 住民監査請求をした。 校舎を移転する必要はないとし、 中村愼司市長に移転先の土地購入費用約15億円の返還などを求めている。 棄却された場合、 住民訴訟も辞さない構えだ。

問題となっている校舎の移転先は、 粉河駅南側にある約3万2300平方メートルの土地。 市は昨年度、 議会の採択を受けて、 土地開発公社などから約15億円で購入した。 現在は、 低い土地を高くする盛り土工事が進められている。 計画では平成25年完成、 全事業費約52億円を予定。

反対住民らは、 現在の5棟ある建物のうち3棟は建て替える必要がないと主張。 盛り土工事まで必要な土地に全棟を移転して建て替えることは、 「最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」 とする地方自治法第2条14項に反するとしている。 また、 移転先の土地は国道沿いで浸水の危険もあると安全面についても言及し、 現地での建て替えを訴えている。 一方、市は「現地建て替えでは常に工事騒音にさらされるなど学習環境に影響をおよぼす。 新たな敷地を計画することで静かな学習環境を維持でき、 次世代にふさわしい理想的な学習環境を構築することができる」としている。

この問題は、 粉河の町を二分した。 同会は昨年12月から 「粉河中学校移転反対」 と書いた黄色いのぼりを各戸に販売。 その数は現在250本にも達し、 区長らは 「あののぼりは子どもたちを怖がらせている」 と、 のぼりを下ろすように戸別に説得に回ったという。

同会は同日開いた記者会見で、 移設反対の署名は1万2000人に達したと発表。 今後、 さらに街頭などで署名を集め、 時期をみて市議会に提出するという。 監査が決定すれば監査委員が調査し、 60日以内に中村市長に意見を提出する。

中村市長は 「市としては、 市議会において予算の議決もいただいておりますので、 今後も粛々と事務をすすめてまいりたいと思います」 とコメントを出した。





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