2010年11月04日

00.社会

秋の叙勲に県内42人受章

各界の功労者に贈られる秋の叙勲の受章者が3日、発表された。県関係は県と県教委から上申された33人(女性2人)、中央省庁で選考された9人(なし)の計42人。最高齢者はかつらぎ町の山本定さんと和歌山市の松本三男さんの85歳。最年少者は美浜町の岩橋幸美さんの62歳。今回を含め県関係者の受章者は計3948人になる。

【旭日小綬章】黒田七郎(77)元紀の川市議会議員、紀の川市▽南出和寛(76)元(株)紀陽銀行頭取、海南市▽澤義則(71)元日本弁護士連合会常務理事、和歌山市▽渡邉勲(70)元県議会議員、同
【旭日双光章】岩橋成泰(80)元県歯科医師会常務理事、和歌山市▽大井義弘(75)元由良町議会議員、由良町▽岡延哉(77)元日高医師会会長、御坊市▽岡田脩(71)県華道家協会会長、和歌山市▽中谷順一(70)県美容業生活衛生同業組合理事長、和歌山市▽森下弘(75)元印南町議会議員、印南町▽山本勲(70)日本公衆電話会和歌山支部長、和歌山市▽山本定(85)元かつらぎ町公平委員会委員長、かつらぎ町
【旭日単光章】常田久夫(70)元紀美野町農業委員会会長、紀美野町▽坪内正江(75)母子寡婦福祉連合会副会長、日高川町
【瑞宝中綬章】松川貞央(79)県立医科大名誉教授、東大阪市
【瑞宝小綬章】西吉一(79)元県警本部警備部長、和歌山市▽藤木正昭(70)元京都家庭裁判所家事首席書記官、同▽松本和美(73)元公立高校長、太地町
【瑞宝双光章】北田勝(84)元公立小学校長、紀の川市▽楠本輝夫(79)元広川町収入役、広川町▽山東英二郎(78)元公立小学校長、有田市▽菖蒲滿(78)元公立高校長、海南市▽中西巌(76)保護司、和歌山市▽堀内務(78)元公立中学校長、同▽前田雅美(82)元公立小学校長、岩出市▽松下瑞應(70)湯浅幼稚園園長、湯浅町▽山田昌男(71)元紀の川市桃山消防団団長、紀の川市▽山中守(74)学校医、和歌山市
【瑞宝単光章】岩橋幸美(62)元養護老人ホーム「ときわ寮」主任介護員、美浜町▽久保田盛一(73)元海南市消防団副団長、海南市▽栗栖健二(70)元田辺市消防団副団長、田辺市▽竹下喜万(68)元県技術吏員、那智勝浦町▽田渕稔(75)元御坊市消防団分団長、御坊市▽辻井敏夫(73)元和歌山市消防団分団長、和歌山市▽西本誓吾(68)元総務専務官、新宮市▽細川幸男(67)同、田辺市▽前地保雄(82)元上富田町消防団分団長、上富田町▽松下順次(77)元那智勝浦町消防団分団長、那智勝浦町▽松本三男(85)元和歌山市消防団分団長、和歌山市▽保田英夫(71)元清水町消防団分団長、有田川町▽山本昇次(63)元南海電鉄(株)堺駅駅長、海南市▽由谷昭三(75)元新宮市消防団分団長、新宮市


 【旭日双光章】中谷順一さん
組合員が支えてくれた

「うれしいが大変なものをもらったなぁ。 組合員が自分を支えてくれた結果。 自分より組合がもらったという気持ちが強い」 と表情は穏やか。
母親が髪結いで、 跡を継ぎ美容の世界へ。 17歳で免許取得、 20歳で開業、 22歳で理事という異例の早さで数々の功績を残してきた。 理事長になり約10年、 平成17年に体に障害を持った人の接客を学ぶ 「ハートフル美容師認定証」 を県内にいち早く取り入れ、 結果約200人が認定証を受けた。
昨年は「大阪・近畿ブロック美容技術競技大会」担当県となり組合の役員らと企画から1年かけて成功を収めた。「競技会が終わってみんなで三三七拍子を打つと、一瞬に苦労が吹っ飛んだ」と語る。
現在、全日本美容業生活衛生同業組合連合会が日本の伝統を絶やさないよう「着付け技能検定制度」を定め、メーカーや企業がパーマ離れを止めようと 「パーマの復権」に取り組んでいる。美容に対し真摯(しんし)に向かう目は輝いている。


 【瑞宝双光章】山中守さん 愛されるお医者さん

昭和37年、 県立医科大学を卒業し医師となる。 同45年から40年以上、 学校医として今も和歌山市内の複数校で診察を続けている。 普段は和歌山市の山中眼科の医師を務め、学校医は市内6校で受け持っている。
昭和後期、 学校数が多いときには年間4500人以上の子どもを診察した。 紀南方面の県内無医地区の町村で、 失明の危機にあった2人の子どもを診察したとき、 「近くの病院を勧めたがわざわざ私の眼科を訪れてくれたことが印象に残る」 と地域に愛されていたことを振り返る。 当時は道路が舗装されておらず、 「砂ぼこりを立てながら夜中山道を走っていった」 と懐かしむ。
子どもが好きで楽しみながら仕事に励み、 診察後には教諭らと交流を深めた日もあった。 40年間は 「あっという間。いろんな人に助けてもらった」 と振り返る。
受章については 「もったいないが光栄なこと。 評価してくれるのはありがたい」 と喜びをかみしめた。


 【瑞宝単光章】松本三男さん 防火意識向上に尽力

「誰かがやらんとあかん」 と思い、 昭和36年6月に消防団の道を歩み出した。 和歌山市消防団雄湊分団団員となり、 昭和60年に分団長に就任。地域の住民から大きな信頼を寄せられた。 「厳しかったけど、 決して辛くはなかった」 と、 当時を振り返る。
記憶に残る現場は築港での火災。 「ふすま屋が炎上し、 積んでいたふすまの鎮火に時間がかかった」 と話す。 分団長時代は、 毎晩気を抜けない状態が続いた。 年に1度地域で行われる防火訓練では消火器の使い方を指導し、地区住民の防火意識向上にも取り組んだ。
消防団を引退した現在は、 7年前から始めた早朝の散歩が日課。 何らかの事情がない限り雨が降っていても出掛け、 散歩途中の公園で懸垂もするほど元気。
受章について 「自分に価値があんのかと思うが、 ありがたいことです」 と笑顔で話し、 「住民の方には本当に火災に気をつけてほしいと思います」 と訴える。




【瑞宝双光章】菖蒲滿さん
学びの情熱は消えず

海南市立第一中学校に教諭として赴任してから約38年間、教育の道一筋。小中高校で教頭、校長など歴任したほか、市教委の同和教育係係長、養護老人ホーム園長も経験、社会教育、福祉など学びを人生のキーワードとし、情熱的に多くの人と接してきた。
教育で一番大切なのは「真正面から向き合うこと」。中学校教頭時代、非行に走った生徒を家に呼び、一緒にすき焼きをつつき合いながら悩みを聞いた。授業に出てこない少年と田んぼのあぜ道で半日語り合ったこともあった。生徒の言い分も聞き、教育の難しさに悩んだが、子どもが大人になって成長した姿を見て「一筋縄でいかなかった分、うれしいです」と振り返る。
学びへの情熱は今も消えない。平成13年から県観光ガイド専門員として、現在も海南市で文化財を伝える「語り部ボランティア」として活動中。受章については「教育人生の集大成として認められ、とてもありがたい」と笑顔を見せた。


【旭日小綬章】黒田七郎さん 38年間、地元発展に尽力

38年という長きにわたる議員人生。旧那賀町議会では19年間、議長を務めた。「自分の地区だけ良ければいいのではない。旧態議会を改革する」と初当選から突き進んだ。平成14年ごろには旧那賀5町の合併案が浮上。「最も東に位置する那賀町。積極的に町の意見を主張しなければ、取り残される」と率先して合併を推進した。その意志と行動は現在でも高い評価を受けている。
初当選は昭和42年の旧麻生津村議会。32歳だった。当時は(株)和歌山相互銀行(現紀陽銀行)の行員。当時の議会は定数3で、70歳以上の長老級が議員になるのが慣例。地区の若者から「議会に新しい風を吹き込んでくれ」と懇願を受け出馬を決意したという。
議員時代に力を入れたのは上鞆渕那賀線や和歌山橋本線の県道整備。「生活や農業の道として重要」と幅員拡大を地道に県に働き掛け、要望は実現した。
今後については「地区役員に就いているので、これまでの恩返しをしたいね」と話す。





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