2010年11月06日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

生物多様性で意見交換、「未来遺産」の3団体

NPO法人 「自然回復を試みる会・ビオトープ孟子」

ため池の土手に自生していたフナバラソウ(環境省から絶滅危惧2類に指定)を観察する参加者たち

生物多様性について意見交換しようと、 岩手と福井の生態系保全団体がこのほど、 海南市孟子の里山公園を訪れ、 この里山を管理しているNPO法人 「自然回復を試みる会・ビオトープ孟子」 (北原敏秀理事長) と交流した。 3団体は日本ユネスコ協会連盟が主催する 「第1回プロジェクト未来遺産」 の登録団体で、 自然観察などを通して、 里山保全の今後などについて話し合った。

訪れたのは、 岩手県一関市の久保川イーハトーブ自然再生協議会 (千坂峰会長) と、 福井県敦賀市のNPO法人ウエットランド中池見 (笹木智恵子理事長)。 同プロジェクトは 「100年後の子どもたちに伝えたい地域の文化、 自然遺産を守る市民活動」 を支援するもので、 3団体は研究内容が生物多様性というキーワードでつながっている。 3団体は前日、 名古屋市で開かれた 「生物多様性条約第10回締約国会議」 (COP10) に出席しており、 その帰りに海南市に立ち寄った。 交流には3団体のほか、 ビオトープ孟子と連携している和歌山大学の研究者らも参加した。

3団体はそれぞれの活動内容を紹介し合い、 チョウ (イチモジセセリ) を獲物にしてオニヤンマを捕まえる子ども文化や、 ゲンゴロウ、 タガメなど限られた地域でしか見られなくなった昆虫の話にも花を咲かせた。 また、 生態系をコントロールする難しさと必要性、 人と人が接点を持つことの大切さなども話し合った。 その後、 参加者は里山を見学し、 池や山林を見て回った。 岩手と福井の団体は、 自分たちの活動場所と緯度や気候環境が異なるため、 見慣れない植物を見つけては珍しそうに観察していた。

久保川の千坂会長は 「トンボの多さはかないませんが、 うちと地形が似ている。 お互い刺激し合って今後も交流できれば」、 中池見の笹木理事長は 「雪が降らない地域のため、 真っすぐの木が多いというのが第一印象。 セイタカアワダチソウなど外来種はどこも一緒ですね」 とそれぞれ話した。

孟子の北原理事長は 「ここのビオトープは当初10坪の池から始まった。 久保川さん、 中池見さんからもっともっとノウハウなどを教えてもらい、 これからの里山保全につなげていきたい」 と期待を込めていた。





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