2010年11月17日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

紀美野でクマ捕獲、県内出没は今年度74件目

麻酔銃で眠らされ調査されるクマ

麻酔銃で眠らされ調査されるクマ

紀美野町中田地区で16日午前11時ごろ、 成獣のツキノワグマが鉄製のイノシシ用の箱わなにかかっているのが発見され、 午後6時すぎに役場職員らによって捕獲された。 捕獲されたのはまだ若いクマで、 わなの近くで子グマとみられる2頭も目撃されており、 今後は子グマも捕獲し、 一緒に山の奥に放すという。

見つかったのは生石山近く。 地元住民男性 (52) が山椒を栽培している畑にイノシシ用の箱わなを仕掛けておいたところ、 クマがかかった。

同町では先月21日、 ハチミツを集める養蜂箱6箱が荒らされており、 クマによる被害と見られている。

今回捕獲されたクマは若いメスで、 全長約118・5センチ、 体重38キロ。 この時期の個体に比べてやややせぎみで、 冬眠に向けたえさ探しのためにふもとまで下りてきたようだ。 体に個体識別のマイクロチップなどが埋め込まれていないことから、 今回初めて捕獲されたクマと分かった。 子グマはまだ近くにいると考えられ、 この日は箱わなに入ったクマの近くに子グマをつかまえるためのわなを2基設置、 クマにはハチミツなどをえさとして与えた。 クマを調査した獣医師の加藤洋さん (30) は 「現れたクマをむやみに殺すのではなく、 人里に出没した原因を減らすなど人間が環境づくりをしなければいけない」 と話していた。

今年度の県内のクマ出没件数は今回を含めて74件。 うち目撃数51件。 紀伊半島のツキノワグマ生息数は約180頭 (うち県内には約20頭) と推定され、 環境省レッドリストでは 「絶滅のおそれのある地域個体群」、 県レッドデータブックでは 「絶滅危惧I類」 とされている。 和歌山、 三重、 奈良では保護の必要から狩猟が禁止されている。





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