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厚生労働大臣表彰を受けた辻中さん |
長年にわたって戦傷病者や戦没者遺族、 未帰還者留守家族などの援護事業に携わり、 顕著な功績を果たしたとして、 「平成22年度援護事業功労者厚生労働大臣表彰」 に全国で113人が選ばれ、 県内からは紀美野町の辻中歩文さん (72) =戦没者遺族援護功労=ら3人が表彰された。 辻中さんは 「母や多くの仲間のおかげ」 と喜んでいる。
辻中さんは昭和13年に同町大角で誕生。 3歳の時、 太平洋戦争が始まった。 終戦した20年、 父が戦死したと報告があった。 幼少のころの記憶は定かではないが、 父の遺骨を役場まで家族で引き取りに行った。 18歳のころ遺児の会に入会。 戦争の悲惨さを伝えるため靖国神社へ参拝し、 恒久平和を訴えた。 会名は変わったものの、 遺族の仲間たちと支え合い、 今でも県遺族連合会女性部の副部長、 海草郡遺族連合会女性部長を務め、これからも平和が続くよう願っている。
悲惨な戦争を経験したが、 人生は幸せだったという。 女手一つで自分を育ててくれた母の存在が大きかったからだ。 家は貧しかったが、 母が身を削って世話をしてくれた。 おかげで 「父がいたら」 と思うことはなかった。 今も元気で一緒に暮らしている96歳の母を見つめながら 「本当にたくましい人です。 私の人生は本当に幸せやったなあ」とほほ笑んだ。
他の2人は田辺市の川口浩一さん (91) =戦傷病者援護功労=、 有田市の田中昭子さん (79) =同=。
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