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和歌山市六十谷の木版画家・尾﨑齋晃(よしあき)さん(75)がこのほど、イタリアとポルトガルで開かれた2つの美術展で「芸術大賞」などを受賞した。受賞作はどちらも、日本の伝統的家屋や土塀を黒白の美しいコントラストで描いた叙情性溢れる木版画。ヨーロッパ初出展で受賞した尾﨑さんは、「世界への木版画の宣伝と普及にある程度貢献できたかなと思います」とにこやかに話している。
イタリアで受賞した「古寺愁景」
ポルトガルで受賞した「廃墟(閑寂の時)」
尾﨑さん
尾﨑さんはことしの第60回板院展で「華厳賞」を受賞した日本板画院の同人・評議員。日本を中心に活動していたが、ことし日本の美術誌で尾﨑さんの特集が組まれたのをきっかけに、評論家から海外出品を勧められたという。
イタリアでの美術展は、9月から10月にかけパラッゾ・デラポンダンザで開かれた「アルテ ジャポネーゼ ポスト モデルナ」展。ポルトガルは11月下旬にソアーレス・ドス・レイス国立美術館で開かれた日本・ポルトガル修好150周年記念美術展「第35回ジャパンウイーク2010年ポルトガル・ポルト」。
それぞれに日本美術の奥深い魅力を伝える選抜作品100~120点が展示され、尾﨑さんの「古寺愁景」がイタリアで「芸術大賞」を、「廃墟(閑寂の時)」がポルトガルで「ポルト市長賞準大賞」と「ポルト在住日本国名誉領事賞大賞」をダブル受賞した。
尾﨑さんは、「日本の古く懐かしい風景を残したいと制作してきました。日本というのを静かに考え、もうちょっと掘り下げてみたいと思います」と話している。
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