2010年12月28日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

龍門山で迷った5人救出、上野さんに感謝状

当時の状況を小河原署長に報告する上野さん(岩出署で) - 龍門山で迷った5人救出、上野さんに感謝状

当時の状況を小河原署長に報告する上野さん(岩出署で)

登山歴50年の健脚は確かなものだった。龍門山で道に迷った男女5人の救出に大きく貢献したとして、岩出署(小河原史朗署長)は27日、紀の川市粉河の農業、上野惠司さん(81)に感謝状を贈った。上野さんは「グループを発見して『もう心配せんでいいぞ』と声を掛けた。安心したのか女性の一人が泣きついてきた。全員けがもなく無事だったことが一番だね」とにっこり。


龍門山は標高約760メートル。「紀州富士」として古くから親しまれ、多くの観光客がハイキングに訪れる。しかし、一歩足を踏み入れると、登山コースのように急傾斜という。

道に迷ったのは、兵庫県尼崎市からハイキングに訪れていた62歳から73歳のグループ。23日午後4時ごろ、頂上付近で自分たちの居場所が分からなくなり、携帯電話で同署に助けを求めた。同署は龍門山に詳しい上野さんに相談。上野さんは捜索活動への同行を快諾した。5人には頂上付近にある「磁石岩」で待機するように指示。日が暮れかけていたが救出に向かった。

入山した上野さんは同行した署員4人がついていくのがやっとなほどの健脚を見せたという。入山から約2時間後、輪になって歌を歌って励まし合いながら救出を待つ5人を発見した。

小河原署長は「通報を受けたのは日暮れ間近で不安だった。二次災害もなく最短の時間で発見できたことに非常に感謝している」と話した。

上野さんは元粉河町役場の職員で、町会議員も経験。趣味は30歳から始めた登山で、これまで富士山に7回登頂。沖縄の屋久島から北海道の有珠山まで、国内はもちろん海外の山にも挑戦している。80歳を超えた現在でも毎朝6キロを歩き、2カ月に1回は龍門山に登っているという。上野さんは登山者に向けて「水と食べ物を多めに。ヘッドライトも忘れずに持っていき、低い山でもあなどらないでほしい」とアドバイスした。





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