2011年01月13日

00.社会

児嶋義一さんが遺作展

300号の大作 「歌声」 の前で貞代さんと新制作の坂口卓平さん

300号の大作 「歌声」 の前で貞代さんと新制作の坂口卓平さん

2年前に死去した和歌山市の洋画家、児嶋義一さん(享年81歳)の遺作展が17日まで同市小松原通の県民文化会館で開かれ、描くことに情熱を傾けた児嶋さんの約60年の歩みに大勢が見入っている。9日に三回忌の法要を済ませた妻の貞代さん(80)は、 「皆さまのお力添えで遺作展を開くことができました。皆さんに見ていただき本人も喜んでいると思います」 と感慨深げに話している。

児嶋さんは、反アカデミック、洗練された芸術性の新制作協会にひかれて小磯良平らに教えを受け、新制作協会会員として全国的に活躍。県内では青甲会に属し、県美術家協会会長も務めた。また一貫して教育畑を歩んできた。

大展示室には、初赴任した中之島小学校の温室を描き県展特選を受賞した63年前の作品から、亡くなる数年前までの作品約50点を展示。新制作展新作家賞受賞の300号(227×368センチ)の大作「歌声」 や、会員推挙となった 「アイヌの詩」、ヨーロッパの赤い屋根の街、生涯のテーマとなった出土品シリーズ、吉田ルイ子の写真に感銘を受けて描いた珍しい作品なども紹介されている。

またカルチャーサロンには紀州の風景などの小品約60点が展示されている。

若いころから交流があった同市湊の洋画家宇治田定一さん(79)は、 「こうして全容を拝見し、先生は立派な大きな仕事をなさってきたんだと、改めて尊敬の念を感じます」 と話していた。





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