2011年03月30日

00.社会

交通公園の北川園長が引退

子どもに自転車の乗り方を教える北川さん

子どもに自転車の乗り方を教える北川さん

県立交通公園(和歌山市西)の園長として、利用者の声に耳を傾け、新しいイベントに取り組み入場者数を倍以上に増やした北川實さん(66)がこの春引退する。5年間園長を務めた北川さんは「精いっぱいやってきたので満足。これからも自転車が増えたり、休憩室もできるので、来場者が増えてくれれば」と話している。

「孫のお守りもしたことがなかった。子どもも正直いって苦手やったんよ」と振り返る。北川さんが園長に就任する前年の平成17年、同公園の入場者は、昭和50年の創設以来最低の3万5000人だった。来場者の獲得を目指し、七夕やクリスマスに季節を感じられるイベントを開催、旬の花を園内外のプランターに絶やさないことを心掛けた。地道な努力が実り、平成19年以降、来場者は10万人を超えている。

中でも、平成20年から始めた自転車初心者教室は思い出深い。約3時間、公園のスタッフが子どもにマンツーマンで指導する。転倒して泣き出す子は公園の事務所に招き入れ、お菓子をあげる。「痛かったな、もうちょっとで乗れそうやな」と声を掛ければ、もう一度チャレンジしようとする。「子どもに教えるのは初めてやったけど、大人と違って納得すると全身で喜びを表現する。それがかわいらしくて」と北川さんは目を細める。教室の時間内に乗れなくても翌週にうれしそうに報告に来ることもあるとか。自転車教室は口コミで県外からも訪れる盛況ぶりだ。

北川さんは「人生でこんなに子どもと触れ合うことはなかった。たまにのぞきに来てゆっくりしようと思います」と話している。





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