2011年04月05日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

長保寺で国宝大門等3棟の改修始まる

改修工事が始まった長保寺の国宝大門 - 長保寺で国宝大門等3棟の改修始まる

改修工事が始まった長保寺の国宝大門

紀州徳川家の菩提寺として名高い海南市下津町上の長保寺(瑞樹正哲住職)にある国宝の大門ほか2棟を保存修理する大改修工事がこのほど、本格的に始まった。大門の解体修理は、明治43年(1910)以来約100年ぶり。事業は平成23年1月から24年12月までの24カ月にわたり、総事業費は1億5000万円を計上。今年度は仮設工事を実施する。


老朽化で痛んでいる国宝の大門、多宝塔、重要文化財の鎮守堂の3棟を修理する。多宝塔と鎮守堂は昭和初期に解体修理を行っている。

大門は軒先が全体的に垂れ、屋根組全体が傾いており、一部木部が割れている。このため各所で瓦がずれ、南面軒瓦は落下の危険性もあるほか、雨漏りも確認。このため屋根の組物を一部解体し、補強を行う。瓦ぶき屋根は使える瓦を利用しながらふき直す。壁の漆喰(しっくい)も塗り直す。多宝塔や鎮守堂では、一部で木部の腐食が進んでおり、破損材の修理、檜皮屋根や瓦のふき直し、相輪(塔の突き出た金属部)の修理などを実施する。

総事業費の支出の内訳は国1億2000万円(80%)、県750万円(5%)、市1125万円(7・5%)、所有者1125万円(同)。22年度は大門の素屋根工事(23年度にも継続)、工作保存小屋、事務所建設を実施。23年度は仮設工事、大門の解体、鎮守堂修理などを行う。

寺伝によると、長保寺は長保2年(1000)に一条天皇の勅願で性空上人が創建し、寛仁2年(1017)に完成した。鎌倉時代に現在の寺の姿が整ったと言われている。将軍となった吉宗、慶福(家茂)を除く歴代藩主らが眠っており、大名墓所として日本最大規模を誇る。本堂、大門、多宝塔がそろって国宝指定なのは、奈良県の法隆寺と長保寺のみ。





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