2011年04月14日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

間伐した竹で炭作りに挑戦中

間伐した竹で炭作りに挑戦中

「硬い炭を作るのが目標」 と有家さん左と田村さん

密集した竹やぶを間伐し、 切った竹を活用して地域活性化につなげようと、 紀美野町桂瀬出身の有家弘貴さん (64) たちが 「竹炭作り」 に挑戦している。 昨年春に企画がスタート。 先月には、 ドラム缶を使った手製の炭焼き窯で火入れ式を行い、 初の竹炭を焼き上げた。 有家さんは 「初めてにしてはまずまずです。 いつか花びんにできるような硬い炭を作ってみたい」 と楽しそうに話している。

過疎化や高齢化が進む紀美野町では、 山を手入れする人も年々減ってきており、 荒廃する山も少なくない。 有家さん所有の山も竹が生い茂っていた。 そこで昨年春ごろ、「間伐せなあかんし、 竹を置いとくだけじゃあもったいない」と企画。 大阪府の友人の田村幸治さん(44)に手伝ってもらい活動を始めた。 2人ともまったくの素人だったが、 インターネットで調べたりして独学で竹炭作りを学んだ。

手作りの窯はドラム缶を丸ごと使用。 作り方は缶の内部に竹を詰め込み、 通気口を空けたふたでふさぎ、 通気口前にれんがを積み上げて 「焚き口」 を作り、 火をおこす。 温度は6時間から8時間掛けて約750度から800度まで上昇し、 通気口から熱や煙が缶の内部に流れて炭化させる仕組み。

2人は3月末と今月初旬に竹炭作りに挑戦し、 竹炭の質を確かめた。 触ると崩れてしまうもろい炭もあったが、 中にはたたくと金属音が出る硬い良質の炭もできた。2人は 「仕上がりは6割くらい。 難しさを痛感しましたが、 いつか素晴らしい炭を作りたいね」 と声を掛け合った。

ドラム缶には煙突が付けられ、 煙を利用して竹酢液もとれるよう工夫。 現在は少ししかとれないが、 青竹などを使ってうまく焼き上げれば、 約5リットルの液がとれるという。 今後は良質の炭を作ることを目標にするほか、 有家さんは 「煙の色や温度、 竹の質感など毎回データを取ってます。 雑竹林で困っているほかの人でも気軽に竹炭作りができるようにノウハウを完成させたい。 それが地域活性につながれば」 と期待を込めている。





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