2011年04月26日

00.社会

和歌山市で福島原発事故を考える講演会

原発の今後の課題について話す海老沢さん - 和歌山市で福島原発事故を考える講演会

原発の今後の課題について話す海老沢さん

東日本大震災による福島第一原発事故について考える講演会が24日、和歌山市北出島の県勤労者福祉会館プラザホープで開かれた。元京都大学原子炉実験所助教授の海老沢徹さんが講師となり、県内外から約80人が参加。海老沢さんは「安定した冷温停止状態を実現することが重要。事故を教訓に、浜岡原発など今後危険が予測される原発を直ちに停止すべき」と強く訴えた。

市民団体「原発がこわい女たちの会」主催。

海老沢さんは、今回の原発事故について「原発推進派がまったく想定していなかった多くの異常事態が同時発生した」とし、地震と津波でほぼすべての交流電源が喪失し、制御室が機能しなくなり注水ポンプやバルブなど多くの機器が動作不能になったことなど、事故の原因について説明。それらが発端で1、2号機で炉心冷却が不能になり、地震の発生2時間後には危機的状況に陥っていたと話した。

また、このほど誤りがあったと発表された東京電力の放射能データについて触れ、「初歩的な間違いが多い」と指摘。同社が示した今後の工程表を基に、原子炉や大気土壌の問題について言及した。約9カ月をかけて1から3号機の原子炉を水で満たすなどの見通しには、「非常に楽観的。この期間での実現は難しい」と断言。依然として予断を許さない状況にある進行中の原発事故に「収束のためには、遠隔作業技術や広大な放射能汚染を除染する技術など、新しい技術開発が不可欠である」と訴えた。





この記事と関連がありそうな過去の記事

powered by weblio


00.社会 - 同カテゴリの記事






カテゴリー
社会
事件・事故
政治・経済
スポーツ
文化・くらし
紀の川・岩出・海南・紀美野

これまでの特集
月別アーカイブ
株式会社 和歌山新報社
cypress.gif