2011年06月28日

00.社会

和商で防災の取り組み着々

手を広げたりして屋上のスペースを測る女子生徒ら - 和商で防災の取り組み着々

手を広げたりして屋上のスペースを測る女子生徒ら

和歌山市砂山南の県立和歌山商業高校(宮下和己校長)の2年生20人は、7月13日の全校生徒避難訓練に向けて避難場所となる屋上の現場検証を行い、約700人が避難できることが分かった。しかし、全校生徒は約1000人と大幅にオーバー。さらに実際の災害発生時には近隣住民ら数百人が集まると予想される。学校では課題の解決に向け、生徒の提案を聞くなどして着々と取り組んでいる。

現場検証したのは選択授業「和歌山のビジネス」を受けている神田盛太教諭班の生徒たち。同班は「地震と津波と県和商」と題して学習中。東南海・南海地震による津波を想定し、屋上に何人避難できるか検証した。図面上で計算したり、手を広げて目算で調べた結果、本館屋上は300人から400人、南館屋上には250人から300人避難できることが分かった。スペースが足りないため、実際の災害時には子どもや高齢者を優先して屋上へ誘導し、生徒と教職員は4階の教室や廊下に避難するという。

また、生徒らは屋上にフェンスなどの仕切りがないため安全性に欠けるとし、「頑丈で高さ約3メートルのフェンスを設置してほしい」と学校に要望。そのほか各教室に非常食などを準備するなど、4つを提案した。学校側は、「すぐに避難できるように教職員全員が屋上の鍵を持つ」という案については、すでに用意を進めているという。

同班リーダーの渡邉麻里奈さん(16)は「対策が不十分で、準備不足を感じている。もっと震災の教訓を生かしていけたら」。吉田安澄さん(同)は「常に防災を意識して、災害を身近に考えていきたい」と話している。

学校側は来月の避難訓練で実際に屋上に避難してから、何が必要かを判断し、生徒の要望について検討していくという。





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