滞納税の回収推進中　紀の川市

市民の税負担の公平性を図るため、 紀の川市が滞納税の回収を積極的に推進している。 市税滞納額は昨年度約11億円。 差し押さえ件数は平成19年度の54件 (213万円) に対し昨年度は694件 (7198万円) と大幅に増えており、 市収税課は 「この増額分は 『税滞納は許さない』 と職員の意識が変化した表れ」 と話している。

市は広報紙6月号に税の滞納に関する啓発記事を4ページにわたって掲載。 「おまえら鬼やな」 など、 差し押さえした滞納者の声を載せるなど踏み込んだ内容で、 毅然(きぜん)とした態度を市民に示した。 また、 市は滞納税の取り立て強化のため、 和歌山地方税回収機構 (平成18年設立) に職員を派遣するなどして回収ノウハウの蓄積にも力を入れているという。

家宅捜索で税滞納者から差し押さえた財産を売却するインターネット公売 (昨年8月開始) は、 昨年度4回実施。 30点が落札され、 落札金額は合わせて約13万円だった。 最高額は床下換気扇で3万9500円。

今月末に入札が行われる本年度第2回公売では、 デジタルハイビジョン42型プラズマテレビ (評価額2万円)、 青磁の花瓶 (同3000円)、 模造刀2本 (同1000円) など8点が出品される。 参加申し込みは13日現在で43件。 全国各地から応募があるという。

市は生活困窮者に対し、 「病気や失業、 経営不振などやむを得ない理由で一時的に税を納めることが困難な人は『徴収猶予』の制度もあるので、 放置せず収税課に連絡してほしい」と呼び掛けている。