2011年07月25日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

海南の楠林さんに「世界堂賞」 新構造展

楠林さんの作品 「森羅万象Ⅵ (月影)」

楠林さんの作品 「森羅万象VI (月影)」

2日から6日まで東京の 「上野の森美術館」で開かれた第83回 「新構造展」 の油彩部門で、和歌山支部から出展していた海南市岡田の楠林広宣さん (70) の作品 『森羅万象VI (月影)』が 「世界堂賞」 を受賞した。 5年連続で応募し、これまでも入選しているが同賞は初めて。 楠林さんは 「もっと上を目指してこれからも描き続けたい」 と喜んでいる。

楠林さん
楠林さん

新構造社 (本社=東京) は、 全国から作品を公募し年1回同展を開いている歴史ある団体。 和歌山支部では、現在メンバー26人が活動している。

楠林さんが絵画と出合ったのは小学2年生のころ。 兄に連れられ、海南市が誇る画家、 雑賀紀光氏に出会い、「絵を描いてみる?」と言われ、 ウサギをスケッチしたのがきっかけ。 その後、 中学3年生まで習い、 高校・大学時代は中断したが、漆器卸問屋 「マルヒロ商店」 の家業を継いだ後、 有志で小さなグループを作って油彩を続け、 約45年間絵を描き続けている。

受賞作は、 平成元年の夏ごろ、 家族で旅行した新潟県青海町が舞台。 日本海に面したのどかな地域で、 国道8号から下りると、 海や山の自然風景が眼下に広がり、すぐそばを鉄道が走っていた。 「何と景色が美しいことか」 と印象的だったといい、 その後、 同じ場所を何度も描き続けた。 今回の絵は6枚目で、 冬の夜を想定した。 電灯と雪景色、 月明かりを調和させたいと、 特に基調となる青色には、 明るい色から濃い色まで約15種類を使い、 色の深みを追求した。 ことし3月11日、 東日本大震災が発生する数時間前に完成し、 「今から考えるとすごく思い入れのある作品になった」と振り返る。

楠林さんは 「芸術は奥が深くて楽しい。 もっともっと良い作品を描いていきたいです」と意欲的に話している。

同支部からは油彩計19点を出品し、 平田源也さん (赤穂市) が準会員推薦、 辻喜桟さん (阪南市) が会友推薦、 西村美和さん (白浜町) が入選した。





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