2011年08月12日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

講師は被災者の鴫原さん 紀美野の「扇踊り保存会」

紀美野の「扇踊り保存会」

鴫原さん(前列右から2人目)とメンバー

紀美野町毛原地区で伝統の歌 (地節) を残そうと活動している 「扇踊り保存会」 (西茂代表)。 昨年まで、 伴奏の三味線は講師なしで練習してきたが、 ことしは東日本大震災で被災し、 福島県から同町に避難してきた三味線指導者の鴫原淳子さん (54) を講師に迎えている。 15日に地元の丹生狩場神社周辺で開かれる盆踊り大会で、 練習の成果を披露する。

メンバーは約30人。30~80代の約10人が三味線で伴奏し、 それ以外のメンバーで歌や踊りを披露する。 少子高齢化が進む同地区では、 三味線を教えられる人が年々少なくなっており、 三味線を担当するメンバーはしっかりとした指導者がいないまま、 独学など手探り状態で練習してきた。

鴫原さんは、 日本民謡協会福島岡部会支部に所属する三味線歴約33年のベテラン。「教授」 という最高位の資格を持ち、 文化を伝える指導的立場にあるという。

同会は、 地元の毛原小学校で開いた 「三味線教室」 を通じて鴫原さんと知り合い、 鴫原さんは同会の 「伝統芸能を守りたい」 という熱い思いに共感、 指導を引き受けた。

5月に始まった教室は、 メンバーのほぼ全員が初心者だったため基礎練習からスタート。 メンバーは立ち居振る舞いや、 素人では難しい調弦などの技術もみっちり教わった。

鴫原さんは約一年間をめどに避難しており、15日はメンバーと一緒に演奏する。 西代表は 「もし鴫原さんがいなければ、 会がなくなっていたかもしれない。偶然の出会いに感謝の気持ちでいっぱいです」。鴫原さんは 「和歌山では一人で弾くくらいかなあと思っていたけど、 こんなに楽しくみんなで弾けるとは夢にも思っていなかった。 ありがたいことです」 と話している。





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