2011年09月12日

05.紀の川・岩出・海南・紀美野

荒れる貴志川に恐怖 紀美野町の藤井さん

「天井が破れるなんて」と当時の恐ろしさを語る優子さん

「天井が破れるなんて」と当時の恐ろしさを語る優子さん

家のすぐ近くを貴志川が流れ、 川と家を挟んでコンクリートの堤防があった。 台風の時はいつも水位を確認しており、 今回は3日午後から川の水かさが増えたので十分注意していた。 夕方からも雨が降り続き、 午後10時ごろ近くの集会所に車を移動させるなど避難準備をした。

10時半ごろ、 諭さんが懐中電灯を照らして水かさを確認すると、 堤防の上までは少し余裕がある状態だったが、 玄関先にはひざの高さまで水が押し寄せていた。 諭さんは 「水が堤防を越えていないのになぜ?」 と驚いた。 実際には下水道などがあふれ、 川以外の水が低い土地に流れ込んだためとみられる。

また、 外から消防車のライトに照らされた時、 諭さんは目の前の川が荒れ狂っている様子を確認。 「その瞬間が一番震えました。 懐中電灯で照らした範囲が狭かったので自分らの状況が把握できていなかった」 と焦り、 すぐに妻の優子さん (47) らと一緒に避難所へと急いだ。

しばらくして 「避難所も危ない」 と団員に教えてもらい、 地区の高台に避難した。高台には約20人が避難していた。 夜が明けてから自宅の確認に行った。

家は2階付近まで浸水していた。 1階天井に水が押し寄せ、 木造の一部が破れていた。 約3メートルの高さまで濁流の跡が残り、 泥まみれだった。泥は深さ約10センチもたまっていた。 現在も臭いがひどく、 集会所で寝泊まりしている。 家は大家に直してもらうことになったが、 近日中には引っ越さなければならない。

諭さんは 「自宅にいる時、区長さんや班長さん、 消防団員さんが見守りに来てくれ、とても感謝している。 命だけでも助かって良かった」 と話している。





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