昨年の那賀消防 救急出動が大幅減

那賀消防組合消防本部(田中照巳消防長)がまとめた平成20年中の出動状況によると、救急出動が消防本部発足以来初めて大幅な前年比減を示すなど火災も含めたすべての出動が減少した。全国的に救急車の不適切な利用が問題となっている中、正しい利用方法を地道に呼びかけ続けてきたことが功を奏したとみており、関係機関では増加の一途だった救急出動の転機にとの期待を寄せている。

昨年1年間の出動件数は火災出動31件(前年比9件減)、救助出動74件(24件減)、警戒や調査などのその他出動175件(17件減)、救急出動4、284件(181件減)とすべての出動件数が減少した。
同消防本部は昭和50年10月に発足。以来、救急出動件数は増加の一途をたどり最近、10年の推移をみると平成14年に前年比60件の減があったほかは多い年で341件、少ない年でも130件余りの増加を繰り返し、昨年は過去最多の4465件で平成10年の2933件に比べて約1・5倍、1500件以上の増加となった。
同署では、本当に必要とする人の対応ができないことにもなりかねないとして「救急車の正しい利用方法」を地道に呼びかけた結果、急病における出動が大幅に減少したという。
また、火災出動については、減少したものの死者3人、負傷者3人と人的被害は後を絶たないことから、早い発見のためにも住宅用火災報知器の一日も早い設置を推進していくことにしている。
また、月別の発生件数は火災、救急、救助とも7月が最も多く、ともに前年比増となった。一方、最も少なかったのは火災が11月でゼロ件。救急は各月とも300件台で大きな差はなかった。