2009年05月16日

00.社会

「法律知らない人の常識を反映したい」

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参加者に裁判員制度について説明する法曹3者

今月21日から始まる裁判員制度導入を目前に、 和歌山地方裁判所は14日、 同制度の説明会 「カウントダウン7 - 裁判員制度スタートまで - 」 を開き、 関心のある住民18人が、 法曹3者の説明に耳を傾けた。 同裁判所は平成17年9月から、 裁判員裁判を想定した模擬裁判や説明会など、 制度開始の準備を進めてきており、 今後も同制度に関する説明会を開く予定。

成川洋司裁判官、 和歌山地検の森下耕次検察官、 岡田和也弁護士が、 これまで裁判所に問い合わせの多かった、 和歌山で裁判員裁判が実際に始まる時期や辞退できる条件などの質問について答え、 「和歌山ではことし中に、 2400人の裁判員候補者の中から約3%の80人が選ばれる」 と解説。 現在までに、 70歳以上の人や学生など約700人が辞退を申し出ていることを明らかにした。 また参加者の 「一般人である裁判員と裁判のプロが同等の立場で議論できないのでは」 という疑問に、 成川裁判官は 「法律について知らない人の観点から意見を取り入れるため、 裁判官も裁判員の発言を促すようにしていきたい」 と強調。 裁判員が量刑決定に役立てられるよう、 過去の裁判の量刑をグラフにしたものを提供する方針について話した。
参加者は実際の裁判の流れを把握するため、 市内の男性が酒気帯び運転で道路交通法に問われている、 裁判員裁判の対象にはならない刑事裁判を見学。 検察官が懲役6カ月を求刑し、 弁護人が執行猶予付きの判決を求めた結果、 裁判長は懲役6カ月、 執行猶予3年の判決を言い渡した。
成川裁判官は 「国民にとって負担が大きい制度。 成功させたいと思うし、 防犯意識の高揚にもつながれば」、 岡田弁護士は 「裁判員の常識に従った意見を反映したい」、 森下検察官は 「裁判員がその場でわかりやすく理解し、 真剣に考えられるよう努力していきたい」 とそれぞれ裁判員制度へ向けた抱負を語った。
市内の女性(54)は 「質問ができる説明会なので参加しました。 制度について理解は深まったけど、 もし自分が裁判員になって重大な事件について決めるとなると不安になります」 と話していた。



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