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千羽鶴を奉納する伏虎中学校の生徒たち |
平成21年度の和歌山市戦災死者追悼法要が9日、 市汀公園戦災死者供養塔前で行われた。 遺族や関係者など約200人が参列。 小中学生による千羽鶴の奉納や平和への願いを込めた作文の朗読などもあり、 参列者は惨事を繰り返さないようあらためて不戦の誓いと平和の尊さを確かめ合った。
64年前の昭和20年7月9日から10日未明にかけて、 市内で米空軍機B29による空爆が行われた。 約1400人が犠牲になったといわれ、 「和歌山大空襲」 と呼ばれている。 市街地の被害が一番大きく、 和歌山城の天守閣は焼失し、 炎による竜巻も発生。 同公園には犠牲者の遺体などが運び込まれ、 埋葬されたという。
法要は、 終戦翌年の昭和21年に始まり、 今回で33回目。 市戦災遺族会の八木良三理事長 (81) が 「戦火から逃れるための壮絶な光景が脳裏に焼き付いている。 今の平和が多くの犠牲の上に成り立っていることを忘れてはならない」 と追悼の言葉を述べた。
市立伏虎中学校と八幡台小学校、 和歌山大学教育学部附属中学校の生徒たちが千羽鶴を奉納。 伏虎中1年の奥山杏菜さんは 「大空襲で多くの命が奪われたことが悔しくて悲しい。 今も世界で戦争が行われているので、 平和な世の中になってほしい」 と述べ、 同小6年の小門直人君は 「戦争に何の意味があるのだろうかと強く思う」、 和大附属中1年の細谷慶太郎君は 「戦争についてしっかりと学習し、 後生に伝えたい」 と述べた。 また、 和大附属小学校の4年生4人が平和のメッセージを読み上げた。
参列した田渕文子さん (87) は 「大空襲から逃れるために市内から野上まで歩いたのを覚えています。 焼夷弾が落ちてきて、 大通りで犠牲になる人がいて、 小さい弟が 『お城が焼けている』 と泣いていたのを思い出します」 と当時を振り返っていた。
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