観測史上最大の雨量記録、道路冠水、浸水など、和歌山市

発達した前線を伴う低気圧の影響で11日未明、 紀北を中心に局地的に強い雨が降った。 和歌山地方気象台によると、 集中豪雨に見舞われた和歌山市では午前3時から4時までの1時間に119・5ミリの降水量を記録。 1時間あたりの降水量としては統計を取り始めた昭和51年以来過去最大となり、 市内各地で道路の冠水、 床上浸水などが相次いだ。 降り始めからの総雨量は251・5ミリ(午前8時現在)で、 JRはきのくに線、 和歌山線ともに運転を見合わせ、 約1万3430人に影響が出た。

県のまとめによると、 11日の豪雨に伴う県内の被害は同日10時半現在、 床上浸水が和歌山市11戸、 海南市3戸、 床下浸水は和歌山市31戸、 海南市12戸、 紀の川市4戸、 岩出市2戸など計57戸。 停電は和歌山市杭ノ瀬地区約970戸、 同市中之島地区で約200戸。 同市内では15人が避難所に自主避難した。 けが人などはなし。

道路は、 阪和自動車道が泉南~有田南間が同日午前5時まで全面通行止めになったほか、 和歌山市田中町の鳴神木広線、 同市六十谷の粉河加太線など和歌山市、 紀の川市、 岩出市、 海南市の県道6路線などが路面冠水により午前6時半ごろまで全面通行止めとなった。

駐車場の車は下半分が水につかった(午前7時45分、三沢町で)

各電鉄で運休相次ぐ 支援学校は臨時休校
県内の公立幼稚園や小中高校で自宅待機や臨時休校などの措置がとられた。

和歌山市内では、向陽、桐蔭の2中学校で自宅待機(午前8時半現在)、 和歌山西高校など6校で自宅待機(同)、青陵高校は臨時休校、和歌山盲学校など特別支援学校5校も臨時休校となった。

交通にも乱れが生じ、JRはきのくに線が加茂郷~和歌山駅間、和歌山線が五条~粉河駅間で運転を見合わせ、午前10時44分までに再開したが、きのくに線で27本が運休、340分を最大に15本が遅れ、和歌山線は17本が運休、127分を最大に5本が遅れ、合計1万3430人に影響が出た。

南海電鉄も尾崎~和歌山市駅間で徐行運転。午前は上り6本、下り5本が運休し、約1万2000人に影響。

和歌山電鐵貴志川線は約3000人に影響。 午前11時現在、 復旧の見通しは立っていない。 線路冠水で30カ所(全31カ所)の踏切が誤作動し、踏切バーが下りたままになり、職員が手動で対処した。