2008年09月10日

2008 02.政治・経済

財政破たん黄信号の和歌山市に助け船 県が低利融資を検討

県は8日、県内市町村の19年度決算について、財務省が財政破たんを防止するために設けた健全化判断比率(速報値)の4指標を発表した。一般・特別会計に加え水道・下水道事業会計など全ての会計を含めた連結実質赤字比率での赤字団体は和歌山市、有田市、湯浅町の3団体で、特に和歌山市は早期健全化基準を超え、破たんの危険を知らすイエローカードが出されている。

和歌山市は下水道事業で約110億円、国保会計で約54億円、土地造成で約31億円の赤字が大きく、連結実質赤字比率は早期健全化基準の16・25%を上回る17・60%。
このため県は今後、財政が悪化している和歌山市からの要請に基づき県振興資金財政健全化貸付(低利融資、年間約5億円)を検討。また、貸し付けを行う際に財政健全化計画の策定とともに、下水道事業債などの許可協議で下水道事業会計の健全化などを求めていくとしている。
湯浅町の連結実質赤字比率は11・14%(早期健全化基準20・00%)、有田市は0・35%(18・96%)。湯浅町は一般・特別会計の実質赤字比率でも唯一の赤字団体(5・85%)。同町は住宅新築資金特別会計の貸付金の回収率が低調で、今後10%を超えた場合は地方債の要許可団体となることから、地方債許可協議で赤字解消に向けた財政健全化計画の策定を求めるとしている。
地方債の償還金の割合を示す実質公債費比率では、日高川町が23・9%と早期健全化基準(25・0%)に接近。過去に発行した道路関係・下水道事業が影響している。一般会計などが将来負担すべき負債の割合を示す将来負担比率は早期健全化基準(350・0%)に接近している団体はなかった。このほか、各公営企業会計単位の実質収支の赤字額の割合を示す資金不足比率で、赤字は11企業。うち経営健全化基準(資金不足比率20%以上)を上回るのは、和歌山市の下水道事業・食肉処理場事業、海南市病院事業など8企業。
県市町村課は「市町村の多くでは堅実な財政運営を行っているが、和歌山市が唯一のイエローカード。県民の4割が住む同市の財政は県全体に及ぼす影響が大きく今後、融資制度を利用して財政健全化を図ってほしい」としている。





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